ノークリサーチは9月24日、2014年の中堅・中小企業における業務システム購入先のサービス/サポートに関する最新の評価調査結果を発表した。それによると、中堅/中小企業に支持されるIT企業であるかどうかの鍵は「プライムかどうか」だという。プライムは、過去3年間の累積金額が最も高かった企業と定義している。
業務システムの委託先/購入先(ノークリサーチ提供)
「過去3年以内に業務システムの委託/購入を行った業者」(上図)、および「過去3年間の累積金額が最も高かった業者」の回答をみると、上位3社に違いはないが、挙げられている販社/SIerの中には「プライムの販社/SIerか、そうでないか」によってシェア順位が変わるケースもあるという。
主要な委託先/購入先の「保守/サポート」について(ノークリサーチ提供)
シェア上位企業に対する評価を掘り下げてみると、各社の強み/弱みが見えてくる。例えば保守/サポートに関して満足度の高い回答と低い回答を比較した結果(上図)では、各社ともポジティブな評価がネガティブな評価を上回っている。レポートでは合計32項目の評価がなされており、中堅・中小企業に受け入れられるために各販社/SIerが注力すべきポイントが見出せるとのこと。
主要な委託先/購入先から最近導入したIT関連資産やサービスの導入効果(ノークリサーチ提供)
ユーザー企業側がどのような観点で評価を行っているかについては、上図のように年商によって若干の違いが見られる。
なお、ここでの「導入効果」の尋ね方は以下の通り。
- 「売上改善」の観点:導入によって期待していた売上の増額幅が期待を上回った場合は「○」、下回った場合は「×」、売上改善を期待していなかった場合は「N/A」
- 「経費削減」の観点:導入によって期待していた経費の削減幅が期待を上回った場合は「○」、下回った場合は「×」、経費節減を期待していなかった場合は「N/A」
例えば年商20億円以上50億円未満では「売上改善:○、経費削減:○」の回答割合が他の年商帯と比べて低くなっている。そのため、この年商帯を主要な顧客層とする販社/SIerは顧客との間で導入効果(IT導入の成否をどう判断するか)に関する意思疎通を深める取り組みを進めることが重要と考えられるとしている。
この調査は「2014年版 中堅・中小企業の業務システム購入先のサービス/サポート評価レポート」からの抜粋。調査は7~8月に実施し、日本全国、全業種の500億円未満の中堅/中小企業において「情報システムの導入や運用管理の作業を担当している」「情報システムに関する製品やサービスの選定または決裁の権限を有している」人物に対し質問したもので、有効サンプルは1300件。