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本日は金融市場に与える影響が大きくなりつつある「地政学リスク」について述べる。
ヨーロッパでは、少数民族が住民投票によって独立を問う動きが広がっている。9月18日には、スコットランドがイギリスからの独立を問う住民投票を実施した。結果は、反対55%・賛成45%で、独立が否決された。独立後のスコットランド経済に不安を感じる住民が反対にまわった。
ただし、この問題はこれで終わりではない。「ゲルマン民族大移動」で大陸から移ってきた民族が中心のイングランド人と、先住民が中心のスコットランド人の歴史的対立がなくなるわけでないからだ。また、現在は鎮静化しているものの北アイルランド州の独立派の動きも火種として残っている。日本経済への影響は小さいものの、大英帝国の分裂リスクは、これからも続く可能性がある。
より深刻な問題と捉えられているのは、スペインのカタルーニャ州で独立を求める動きが盛んになりつつあることだ。カタルーニャ州議会は、11月に独立を問う住民投票を実施することを決議した。スペインは住民投票を実施することを憲法違反として認めていないが、カタルーニャは住民投票を強行する構えだ。
州都バルセロナを擁するカタルーニャはかつて国家を形成していたことがあった。カタルーニャ語を話し、スペイン人とは異なる気質を持つカタルーニャ人の間に、「カタルーニャはスペインでない」と独立を目指す運動が活発化している。
カタルーニャ人は仕事熱心で、経済力がある。カタルーニャ州はスペインのGDP構成比では約2割を占める、スペイン経済を牽引する重要地域だ。もし、カタルーニャがスペインから離脱したら、改善に向かいつつあるスペインのソブリンデット(国家債務)の信用が、再び悪化する懸念がある。スコットランドと異なり、独立できる経済力があるだけに、住民投票で独立が可決される可能性も十分にある。
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