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スコットランド、カタルーニャ州、「イスラム国」、東ウクライナなど、金融市場が不安視する地政学リスク - (page 2)

ZDNet Japan Staff

2014-09-30 12:11

「イスラム国」の問題

 イラクとシリアで、武装勢力「イスラム国」が活動領域を拡大しつつある。米国は、ついにシリア領でも武装勢力「イスラム国」への空爆を開始した。これまでイラク領内だけで行っていた空爆を、シリアへ拡大したのは、米国が「イスラム国」にターゲットをしぼって勢力掃討に本腰を入れることを意味する。というのは、シリアのイスラム国を空爆することは、シリアでイスラム国と戦っているアサド政権を利することになるからだ。

 米国は、アサド政権が非人道的な弾圧政策を強いているという理由で、シリア国内の反アサド勢力を支援してきた。ところが、イスラム国の脅威が強まった今は、アサド政権と同調してでも、イスラム国の掃討を優先する構えだ。

 2010年ころから、「アラブの春」という民主化運動が、チュニジアやエジプト、リビアから中東全域に広がったが、アラブの春には正負、両方の側面があった。独裁政権を崩壊させて民主化の機運が出たことがポジティブな反面、独裁政権がなくなって秩序が保てなくなって各地で武装勢力の活動が活発化するという負の側面もあった。

 イラクでいうと、サダム・フセイン政権の崩壊で、アラブの春と同様の民主化プロセスが始まることが期待されていたが、結果的には武装勢力「イスラム国」の活動が活発化して、国家分裂の危機に至っている。

 日本は欧米諸国とともに、官民をあげてイラク復興に大きな投資をしつつあった。このままイスラム国の勢力拡大が続き、国家分裂に至ると、イラク復興が遅れるだけでなく、これまでに日本や欧米諸国が投資した資金も回収できなくなる懸念がある。

東ウクライナ問題

 ウクライナで親欧米政権(ポロシェンコ大統領)が誕生してから、ロシアは、ウクライナと対決色を強めている。まずロシア系住民が多いクリミアをロシアに編入した。さらに、東ウクライナでウクライナ政府軍と戦闘している親ロシア派勢力を、武器供与などで支援していると考えられている。

 この問題をめぐって、欧州とロシアは経済制裁を出し合う泥仕合におちいっている。相互の経済制裁は、欧州とロシアの双方にダメージが大きいので、当初は、本格的な制裁合戦にならないように、穏便に済ませようとする動きがあった。

 ところが、親ロシア系勢力が、マレーシア航空の民間航空機を誤って撃墜してから、ロシアと欧州の対立は、抜き差しならないものとなった。制裁合戦が、欧州・ロシア経済のリスクとして意識される状況が続いている。

日本株への影響

 世界中で、地政学リスクが懸念される事例が増えていることに注意が必要だ。今のところ、どれ1つとっても、世界経済を悪化させる決定的要因とはなっていない。メインシナリオとして、日本と世界景気の緩やかな回復が続き、日経平均は、2015年3月までに1万8000円に上昇する予想を継続している。

 ただ、地政学リスクが世界経済を失速させるような問題に波及しないか、今後とも情勢を慎重に見ていく必要がある。

 過去記事は、キーワード「日本株展望」から読めます。

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