チェプロ、WindowsフォームのC/Sシステムをウェブ化するツール提供

三浦優子 2014年09月30日 16時44分

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 チェプロは9月29日、Windowsフォームで開発されたクライアント/サーバ(C/S)アプリケーションをウェブ化する開発ツール「Visual WAO」の提供を開始した。

 Visual WAO(Web Adaptable Object)は、Windowsフォームアプリケーションをインターネット環境で実行可能にする通信インターフェース技術がベース。Javaベースのウェブアプリケーションに比べ、大幅にレスポンスよく動作し、大量の伝票入力のようなウェブアプリケーションで利用しにくい作業をウェブ環境で利用できるという。新規開発もVisual Studioを活用して効率的に行い、既存のWindowsフォームアプリケーションを簡単にウェブ化できるとしている。

福田玲二氏
チェプロ 代表取締役 福田玲二氏

 同社では2008年にベースとなっている技術を開発し、提供してきたが、特許を取得したこともあって、開発ツールとセットで提供し、より広くユーザーを獲得することを狙う。代表取締役の福田玲二氏は「2008年から現在まで契約ライセンス数4000、1万ユーザーを獲得している。今回の発表後、さらに多くのユーザーを獲得できれば」と話している。

ウェブでもC/Sと同等のレスポンス

 チェプロは1997年に設立したソフトウェア開発企業。オブジェクト型帳票開発ツール「Play@」、建設業向け統合基幹業務システム(ERP)パッケージ「建設WAO」をはじめとするソフトウェアを開発、販売してきた。

 今回提供する技術のベースとなっている、通信インターフェース技術のモジュール「Visual WAO DLL」は2008年に建設WAOのパッケージの一部として提供を開始。その後、この機能だけを単体で利用したいという要望が大きかったことから単体での提供を開始。2013年、この技術に関する特許を取得したことから、開発システムと一体化した製品としてVisual WAOを提供する。

 同社の技術の特徴は、ウェブ環境でありながらC/Sシステムと同等のレスポンスで入力作業ができることと、サーバ側のデータと入力したクライアント側の同期がほぼリアルタイムに実現できる点にある。

 その特徴は、(1)Windowsフォーム(Visual Studio)を使い、操作性に優れたウェブシステムを高い生産性で開発できる、(2)C/Sのレスポンススピードをウェブシステムで実現できる、(3)Visual WAO DLLがサービスを持つのでウェブサーバが不要、(4)既存のC/Sシステム資産を利用してウェブ化できる、(5)HTTP上で同期が取れる、クライアントとサーバで双方向通信――の5つとなっている。

 動作環境としてはWindows Server 2003/2003 R2/2008/2008 R2/20012/20012 R2、データベースはSQL Server 2005/2008/2012/2014、Oracle Database 10g/11g/12c、.NET Framework 2.0/3.0/3.5/4.0/4.5に対応。クライアントはWindows 7/8に対応する。

 一般的なウェブシステムは、クライアントからの1リクエストに1レスポンスで完結し、クライアントからの接続は保持されない。問い合わせがない限りはサーバの状態をクライアントへ伝えない仕組みとなっているため、クライアント側は常にサーバに問い合わせて情報を取得する必要がある。

 それに対しVisual WAOでは、クライアント側が切断するまで接続情報を保持し、インターネット環境下でLAN環境と同様に常時接続する。クライアント、アプリケーションサーバ、データベースサーバが直結しているため、リアルタイムでの登録、更新処理が可能となる。接続時には、クライアントからIPアドレスやMACアドレス、コンピュータ名、ユーザー名など必要な情報をサーバに送信でき、なりすましを防止できるという。

Visual WAOの概要
Visual WAO DLLはクライアントとアプリケーションサーバをバイナリで通信する。ウェブサーバは不要という(チェプロ提供)

 「ウェブでの入力というとブラウザベースを想定されるだろうが、われわれの技術ではブラウザを使わず、Visual WAO開発ツールで自動生成される通信インターフェースモジュールのVisual WAO DLLを用いる。クライアント側に置いたVisual WAO DLLと、アプリケーションサーバに置いたVisual WAO DLLがバイナリ通信して、アプリケーションサーバからデータベースサーバにデータが送られる3層構造となっている。ウェブサーバは不要となるので、不必要なサーバを置かなくて済むというメリットもある」

 大量の伝票入力作業は、専門のオペレーターが処理ため、レスポンスが悪くウェブ化には不向きとされてきた。こうした作業がウェブ上で行えるようになる。

 実際の導入事例として、Visual Basicで開発したソフトウェア資産をクライアント、サーバそれぞれに分割し、ビジネスロジックをサーバ側に移して3層化したことが挙げられた。プログラムに数行の関数を追記するだけでVisual WAO DLLを配置してウェブ化。手間なくVisual Basicの資産をウェブ化することに成功したという。

 ある大手製造業では、生産拠点で使用する品質管理システムをウェブ化するにあたりVisual WAOを導入。品質情報をリアルタイムで把握し、短期間でウェブ化を実現することで期間、コスト削減を実現したと説明した。

 Visual WAO DLLを自動生成する開発ライセンスは無料で提供される。実行ライセンスの税別価格は、同時アクセスライセンス10クライアントで16万円から、物理サーバライセンスは1CPUで100万円、仮想サーバライセンスは2仮想サーバで25万円、クラウドライセンスは1コア月額1万円。

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