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御嶽山噴火でシステムは何をとらえたのか:ウェザーニューズ

山田竜司 (編集部)

2014-10-25 07:30

 9月27日午前11時52分ごろに、長野県と岐阜県の県境にある御嶽山(標高3067メートル)が噴火した。気象庁は噴火警報レベルを3に引き上げ、10月24日現在、なおも入山規制中だ。今回の噴火は多数の犠牲者を出した。ウェザーニュースでは、二次災害や同様の被害を減らすことを目的とし、噴煙・降灰の状況や当時の火山灰の拡散予測方法やシステムを明らかにしている。

カメラやレーダーを駆使

 噴火後の火山灰の拡散予測にはまず、火山の緯度経度を確認してから、噴煙の高さをライブカメラ、レーダーなどの画像から判定する。今回御嶽山では諏訪湖のライブカメラや、気象庁レーダーの鉛直断面から、噴火の高さを約8000メートルから9000メートルと見積もり、初期値として設定、噴火により噴出したであろう火山灰の粒子が、最新の気象モデルにおける風向・風速などのデータに基づいて、高さごとにどのように拡散するかをシミュレーションしている。

 活火山のいくつかにはライブカメラを設置しており、噴煙の形や色の特徴から画像解析を活用して、検知するとアラート(パトライト)が鳴る仕組みになっている。

 また、独自の超小型気象観測レーダーも使い、噴火を検知してから予測の結果を伝えるまでは約10分。火山灰の拡散状況によって、運行の可否が問われる航空会社や高速道路などを管理する企業にニーズがある。

灰の拡散を人力で調査する

 ウェザーニューズは噴火後の27日から28日かけて、降灰の広がりを調査するため、空の様子や体感の変化報告する700万人の「ウェザーリポーター」とともに降灰の状況を調査。「降灰なし」「灰うっすら」「灰どっさり」「石も降る」の4項目から選択してもらい、1万1744件の回答を得たという。

 報告された写真は、白っぽい火山灰が車のボンネットやベランダの手すりに付着しているものが多く、非常に細かく、うっすらと堆積しているものがほとんどという。また、天気は良いにも関わらず景色が霞がかっているほか、9月27日夜に御嶽山のある長野県内からは「喉がイガイガ、ザラザラする」という異常を感じるコメントも多く寄せられた。火山灰の拡散予測範囲は妥当であったという。

花粉用センサ搭載ロボで予測

 さらに全国1000カ所に設置しているウェザーニューズの花粉観測ロボット「ポールンロボ」は、火山噴火の際、浮遊している火山灰を検知できることがこれまでの桜島の噴火などから分かっている。

 今回の御嶽山の噴火では、降灰エリアの長野県南部、山梨県内のポールンロボの噴火した当日の午後から翌日の朝までのデータからは顕著な増加は認められず、浮遊している火山灰の量も多くはないとしており、ウェザーニューズは予測が妥当であったと説明している。

今後は独自レーダーを設置

 火山噴火予知連絡会によると、9月27日の御嶽山の噴火は、マグマを直接噴き出さない「水蒸気噴火」であるという見解が示され、低温の火砕流が斜面を下ったと認定された。今後も同程度の噴火が起きる可能性もあることからウェザーニューズではよりくわしくリアルタイムに噴煙の状況を把握するために、御嶽山の麓にライブカメラや、ウェザーニューズ独自の小型レーダー「WITHレーダー」を10月中に設置する。

 レーダーでは6秒ごとの観測が可能なため、ほぼリアルタイムに噴煙を超高頻度で観測することができる。また、WITHレーダーが設置されるまでの間に9月27日と同程度の噴火があった場合は、より機動性の高い「移動型WITHレーダー」で現地を観測するとした。

 ウェザーニューズのスマートフォン向けアプリ「ウェザーニュースタッチ」の御嶽山の専用ページで噴火活動の状況や今後の火山灰の拡散・降灰予測などの最新情報を更新し、700万人のウェザーリポーターとともに降灰の実態を調査、公開していくとしている。

 地震や噴火の予測はいまのところ不可能だが、「いつもと違う」異常な状況が天災の予兆である可能性があり、その情報を共有する取り組みを検討していることも明らかにした。例えば御嶽山の場合、常連の登山者らが山頂付近で「いつもと違う」においを感じていたという。


諏訪湖のライブカメラ画像、黄色の丸が御嶽山の噴煙(ウェザーニューズ提供)

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