情報共有を促進するためにツールを入れても、すんなりと効果を得られるわけではないようだ。10月1日にアイ・ティ・アール(ITR)が発表した調査結果で明らかになっている。
同社は、SNSやブログ、マイクロブログ、コミュニティ、従業員検索などの機能を提供する、従業員間や取引先間で情報を共有するためのソフトウェアを“ビジネスソーシャル”として調査した。
企業が現在利用しているビジネスソーシャルの運用面での課題を11項目挙げ、複数回答で課題として該当するかどうかを調べた。運用面では、「利用する人とそうでない人の偏りが顕著である」が40.1%と最も高かった。続いて「アクティブユーザー数(ログイン率)が増えない」「登録者数(利用者数)が増えない」なども上位にランクしている。
各従業員の利用に対する“温度差”が多くの企業で課題となっていることがわかる。セキュリティに関わる課題である「業務にまつわる重要情報の管理(漏洩対策)に不安がある」は24.4%の企業が選択し、2番目に重視されている。
ビジネスソーシャルの運営面での課題(複数回答)
ビジネスソーシャル市場の13ベンダーの製品やサービスに対する、ユーザー企業の利用動向とベンダー売上金額シェアをもとにプロットした、ベンダーポジショニング「ITR DatumiX」では、Beat Communicationが“リーディング”ベンダーに位置する。Beat Communicationは市場の老舗であり豊富な機能と導入実績で売上金額でのシェアも高いという。
今後に向けてのユーザー期待値数では“エマージング”に位置するマイクロソフト、NTTコミュニケーションズ、セールスフォース・ドットコムが高い値を示しており、今後リーディングの位置を狙う激戦が予想されると見ている。
ビジネスソーシャル市場のDatumiX
ITRはビジネスソーシャルのほかにコラボレーションスイートやウェブ会議を対象に調査した「ITR Market View View:コラボレーション市場2014」を10月1日に発刊した。