レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(LES)は10月1日付けでのIBMからのx86サーバ事業買収手続き開始に伴い、日本で同日営業を開始した。13億円を投資して東京外神田のUDXにオフィスを移転し、検証センターをはじめとする顧客サービスのためのオペレーションも開始している。
10月2日に開催した記者会見で代表取締役社長のRoderick Lappin氏は、レノボ・グループが提供している製品の市場シェアでPCが1 位、タブレットが3位、スマートフォンが4位であることから「エンタープライズ領域でのコネクテッドデバイスのリーディングカンパニーとしての地位を獲得している」と表現した。
代表取締役社長 Roedrick Lappin氏
世界市場でシェア3位となるx86サーバを中心とした製品群が加わり、端末からバックエンドのインフラストラクチャまでの多様な提案を1社で提供する体制が整うと説明した。
日本市場で5位となるx86サーバのシェアを上昇させたい考えだ。「国内のx86サーバ市場には成長の余地がある。これまでよりもマーケテイング分野を厚くカバーし、製品のプロモーションに加え、パートナー支援にも投資していきたい」 (Lappin氏)
LESはこれらの世界的スケールメリットを生かすと共に、従来からの日本の顧客やパートナーとの関係を継続し、日本の地域性にあったサービスを提供していきたいとした。
まずシェア拡大に向け、2015年7月にサポートが終了するWindows Sever 2003への移行や、クラウド分野に注力する。LESとパートナー各社が連携しサービスもすぐに提供できる状態とした。
一方、最も強調したのはIBMが培った「保守、サポート体制を継続すること」だ。x86サーバ製品の保守、メンテナンスについては従来通り最長で5年は日本IBMが担当する。保守体制を引き継ぎつつ、日本IBMと強固に連携するという。
同社には日本IBMの営業、技術担当の従業員が移籍している。
新会社の役員には、日本IBM出身の小林泰子氏が取締役執行役員に就任し、米IBMのサーバ事業の責任者、Adalio Sanchez氏も執行役員に就任するなど、IBM時代と変わらないサポートの体制や品質をを再三アピールしていた。
会見でLappin氏はx86サーバを日本で生産する構想を明らかにした。NECがPCを生産する米沢工場でx86サーバの生産を目指し、ユーザーニーズを調査して、検証するプロジェクト「MADE IN YONEZAWA」を開始した。6カ月以内に調査、検 討して生産の戦略と方針を決定する。
会見には、パートナーとして日本マイクロソフト 執行役コンシューマー&パートナーグループ OEM 統括本部長 金古毅氏、インテル執行役員営業本部長の大塚桂一氏、レッドハット代表取締役の廣川裕司氏、ヴィエムウェア代表取締役の三木泰雄氏が参画。パートナーとしてLESを引き続き支援するとアピールしていた。
(左から)小林泰子氏、Roderick Lappin氏、瀧口昭彦氏