「iOS 8」の適用率、リリース直後の好調から一転して伸び悩み--断片化のおそれも

Zack Whittaker (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2014-10-07 12:49

 「iOS 8」に関するAppleの最新データによると、その適用率は3週間で1パーセントポイントしか伸びていないという。

 Appleの開発者向けウェブサイトのデータでは、9月半ばにリリースされた同社のモバイル向け最新OSを搭載できる「iPhone」や「iPad」のうち、同OSを稼働させているのは半数弱にとどまっていることが示されている。

 iOS 8の適用率は現在、直近のメジャーリリースである「iOS 7」のそれと同じく47%となっている。残りの6%は、最新OSを搭載できない古いデバイスが大半を占めている。

 AppleがiOS 8の適用率を前回報告したのは米国時間9月23日であり、その際にはリリースからたった4日で46%という数値に達したとされていた。

 同社の開発者向けウェブサイトには、一定期間内に「App Store」を訪問したユーザーの使用しているOSを調べていると記されており、通常の場合その数値は2~3週間ごとに発表される。「iPhone 6」や「iPhone 6 Plus」に再インストールされることになったiOS 8は、その初期リリースから複数の問題に悩まされていた。

 デビューから1カ月も経たないうちに、Appleは「HealthKit」プラットフォーム関連のバグなどを修正するマイナーアップデートである「iOS 8.0.1」をリリースした。

 しかし、新しいデバイスで携帯ネットワークに接続できなかったり、「Touch ID」が動作しないというユーザーの声がすぐさま寄せられた。

 Appleは数時間のうちにiOS 8.0.1のOver The Air(OTA)アップデートを取りやめ、その2日後に主要な問題すべてを解決する「iOS 8.0.2」を発行した。

 これらの問題だけでも、何百万人というユーザーがアップグレードを避ける理由になる可能性がある。しかし同社の「Handoff」といった、10月に期待されている(「OS X Yosemite」の)一般リリースを待ち、iOS 8のリリース時に見送られた機能のせいで、既存のiOS 7ユーザーが最終的に完成した機能すべてを利用できるようになるまでアップグレードを控えているという可能性もある。

 ともかくも、iOS 8の適用率の伸び悩みにより、Appleにとっても断片化という問題が突きつけられることになる。

 iPhoneやiPadのメーカーであるAppleは、スマートフォン分野における同社の競合Googleが開発、所有している「Android」がプラットフォームの断片化という問題を抱えているとしばしば批判してきている。

 互換性のないデバイスや、通信キャリアによるアップデートの遅さが相まって、Androidのエコシステムは、オープンソースの同モバイルOSの最新バージョンで旧式のデバイスをサポートすることに苦心している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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