日本IBMのx86サーバ事業を継承する中国Lenovoグループ子会社のレノボ・エンタープライズ・ソリューションズが10月1日に営業を開始した。だが、国内の市場競争では逆風にさらされている。新会社は劣勢を跳ね返せるか。
Lenovo x86サーバの事業会社が始動
Lenovoグループによる米IBMのx86サーバ事業の買収が10月1日にクロージング手続きに入ったことを受け、同日から営業を開始したレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(LES)は翌2日、都内で「Lenovo x86サーバ事業戦略」と題した記者会見を開いた。
レノボ・エンタープライズ・ソリューションズの経営陣。左から、小林泰子取締役執行役員、Roderick Lappin社長、瀧口昭彦取締役執行役員
会見には、レノボ・ジャパン社長でLESの社長も兼務するRoderick Lappin(ロードリック・ラピン)氏や、日本IBMのx86サーバ事業責任者から10月1日付けでLES取締役執行役員に就任した小林泰子氏らが登壇。さらに、日本IBM幹部に加え、日本マイクロソフトやインテルなどパートナー企業の代表者もスピーチした。
Lappin氏は会見で、「LenovoはIBMとのパートナーシップにより、x86サーバ事業において世界市場でシェア14%を持つ3位のベンダーになった。両社のポートフォリオを組み合わせて、業界で最も包括的なx86サーバ製品群を提供していく」と強調した。
一方で、「今年1月に買収を発表して以来、顧客やパートナー企業と話してきた中で、保守サービスが懸念されていることがわかった。だが、この点についてはIBMとの協業により、これまでと変わらずIBMの保守サービスが継続されるので安心していただきたい」とも語った。
会見で説明があった事業戦略のさらに詳しい内容については関連記事を参照いただくとして、ここでは国内の市場競争に焦点を当てたい。というのは、国内市場では買収発表後、IBMのx86サーバが逆風にさらされてきたからだ。