NTTコムフォーラム 2014

「サーバ、ストレージ、ネットワークを一体制御」--NTT comが次世代クラウド基盤を披露

齋藤公二 (インサイト) 2014年10月10日 18時25分

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 NTTコミュニケーションズの主催イベント「NTT Communications Forum 2014」が10月9日に開幕した。初日の基調講演には代表取締役社長の有馬彰氏が登壇し、「進化したクラウド」をテーマに「グローバルクラウドビジョン (Global Cloud Vision) 2014」の進捗と、次世代クラウド基盤の将来像を解説した。本記事では、この基調講演についてレポートする。

有馬社長による基調講演--「進化したクラウド」の現在の姿と将来像

 この基調講演は、有馬社長自らが、ビジョンと注力分野、取り組みの進捗を発表する場としてイベントの恒例にもなっているもの。一昨年は、Global Cloud Visionそのものをお披露目する場となり、昨年は、SDN(Software Defined-Networking)Network Functions Virtualization(NFV)などを中心に、キャリアクラウドの強みを生かした世界初とする新サービスを多数発表した。

NTTコミュニケーションズ 有馬彰 社長
NTTコミュニケーションズ
有馬彰 社長

 講演の始めに、4月に発表した「Global Cloud Vision 2014」について総括した。2014年に新たに4社を買収したことや、外部機関から「リーダー」として評価されるようになったこと、大企業を中心にグローバルな事例が増えたことなど、ビジネスが堅調に成長していることを強調。そのうえで、「進化したクラウド」の現在の姿と将来像を解説した。

 2014年に買収した企業としては、アプリケーション分野でテレビ会議サービスを提供する「Arkadin」、クウラドデータセンター分野でデータセンター事業者の「RagingWire」、ネットワーク分野ではNFV機器やサービスを展開するVirtelaがある。いずれも戦略的に買収してきたもので、製品やサービス、オペレーションの統合が進められている。

 実績としては、データセンターの規模が世界130拠点25.1万平方メートルとなった。これは、「事業者最大手が50万平方メートルと言われるなか半分まできた」(同氏)状況にあるという。また、ネットワークサービス(VPN)契約回線数は、2013年の29.3万から33.4万に増加し、ネットワークサービス(Arcstar Universal One)提供国も、Virtela買収後に160カ国および地域から196カ国/地域に増加したと説明した。

 クラウドサービスについては、BizホスティングEnterprise Cloudと、BizホスティングCloudnを合わせて年度内に7500社に達する見込みだ。2013年の4700社から国内で約2100社、海外で700社それぞれ増加している。講演では、それら顧客事例のなかから、いくつか代表的なグローバル事例を紹介した。

 大日本印刷系のDNP情報システムでは、クラウドを活用して「Microsoft Dynamics AX」をグローバル展開した。また、伊藤忠商事はクラウド型メールとOffice 365を組み合わせたハイブリッド基盤を構築。また、クラウド型音声基盤を全世界で導入した全日本空輸、グローバルでクラウド型のCADデータ流通基盤を構築した本田技研工業がある。

 イベントのテーマである「進化したクラウド」については、今後の注力分野として、3つのポイントを挙げて説明した。

 1点めは、ネットワークとクラウドを一体的に提供する「キャリアクラウド」の強みを、より押し出すこと。「ネットワークとクラウドを一体的に運用保守したり、DDoS攻撃に代表されるネットワークセキュリティに対応したいというニーズに応える」(同氏)という。

 2点めは、仮想化を加速させることだ。「サーバだけでなくネットワークもオンデマンドで柔軟に利用したり、ネットワーク機器を自社で保有せずに柔軟に利用したいというニーズがあり、それに応える」という。具体的には、SDNやNFVの製品やサービスの展開に力を入れる。

 3点めは、API機能の拡充だ。「企業が自社の運用監視システムとNTT Comのクラウドサービスをシステム間連携したり、パートナー企業がNTT Comサービスを活用したソリューションを提供したいというニーズに応える」という。

 同社では、各種サービスをグローバルで国や地域を意識することなく、シームレスに利用できるようにするために、ファクトリーモデルを推進している。これは、ローカルごとにすべての機能を持たせるのではなく、開発やオペレーションなどの「製造機能」と、セールスなどの「販売機能」を分け、サービスとオペレーションをグローバルで統一化するものだ。

 4月の段階で、買収した企業を中心にオペレーションを集約していくことが発表されていたが、その進捗を説明した。セキュリティ分野ではNTT Com Security、アプリケーション分野(テレビ会議)ではArkadinのサービス基盤の活用がそれぞれ進んだ。また、オペレーションについては、クラウド分野ではインドの「Netamagic」、ネットワーク分野では「Virtela」にオペレーションを順次統合していく。

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