新たなエコシステムがエンタープライズITを推し進め、現在の世界で繁栄するために最も重要な性質は、オープンであることだ。Microsoftの「Windows」担当マーケティングバイスプレジデントであるTony Prophet氏はこう主張する。
Prophet氏は米国時間10月13日、Dreamforceの参加者数百人で埋め尽くされた会場でSalesforce.comの最高経営責任者(CEO)であるMarc Benioff氏とともに登壇し、エンタープライズ市場に対するMicrosoftの新しい開発ビジョンを紹介した。SalesforceとMicrosoft「Office 365」の統合に向けた拡張パックも話題にあがった。
「Officeを『iPad』や『iOS』エコシステムに提供するという決断は、容易ではなかった」とProphet氏は認めた。
しかし、同氏は続けて、新たに命名された「Windows 10」など、オープンでパートナーを中心に据えたプラットフォームを構築する試みは、法人顧客からの要求に対する直接的な回答だと述べた。
「Windows 10は小幅な進歩にはならない」と約束したProphet氏は、「Surface」タブレットから「Xbox」まで、モノのインターネット(Internet of things:IoT)という大きな流れを形作る膨大な数の組み込みデバイスを統合する1つのプラットフォーム、1つのエコシステムの構築を目指すという点で、同OSは「飛躍的な進歩」だと表現する。
Salesforceに関する限り、13日に発表された両社の共同ソリューションは、「Salesforce1 for Windows」「Salesforce for Office」、そして「Power BI for Office 365」と「Excel」のSalesforceとの統合で構成される。
Benioff氏は「Microsoftで短期間のうちに極めて大きな変化が見られた」と述べ、この変化を締めくくったのは非常に重要な経営者の交代だったと指摘した。
MicrosoftのSatya Nadella氏が「初心者の心構え」でCEOに就任したことを賞賛するBenioff氏は、そうやって「われわれは今回ここに辿り着いた」と、SalesforceとMicrosoftの最新の提携に関して示唆した。
Prophet氏もそれに同意し、こうした大きな変化を推し進めるには、「自分が何を手に入れようとしているのかを顧客が正確に把握できるように、明確な決定を下す」ことが必要だと述べた。Microsoftにおいて、それはクラウドと生産性に向かって進むことを意味する、とProphet氏は続ける。
Prophet氏は慎重な株主やアナリストに対し、強い企業とは「自らのルーツから離れない」だけでなく、「三角点」で前に進むことも学習する企業のことだと主張した。