10月9、10日の両日、「NTT Communications Forum 2014」が開催された。展示会場に設けられた「グローバルセミナーステージ」では、中国、インドネシア、ヨーロッパ、タイ、ベトナム、米国のNTTローカル法人の担当者が海外ICT事情を解説した。それに先んじて行われたIDCによるスペシャルセッションをレポートする。
IDC Sandra Ng氏
登壇したのは、IDCのアジアパシフィックプラクティスグループのグループバイスプレジデントのSandra Ng氏。シンガポールをベースにリサーチを活動を行っており、主に「第3のプラットフォーム」という技術トレンドやそれがもたらすビジネスインパクトを最高経営責任者(CEO)や最高情報責任者(CIO)などの経営層にアドバイスしている。演題は「破壊的イノベーションの時代におけるビジネストランスフォーメーション」で、近い将来、組織や個人に、実際にどのようなことが起こりえるのかを事例を交えながら紹介した。
IDCが主張する第3のプラットフォームとは、クラウド、モビリティ、ビッグデータアナリティクス、ソーシャルといった技術で構成されるプラットフォームのこと。ポイントは「こうした技術が破壊的イノベーションであること」だ。破壊的イノベーションは、新しいテクノロジがそれまで大きなシェアを持っていた既存テクノロジに取って代わる様子を示した言葉だ。取って代わられる側は、新しいテクノロジを使った競合が登場し、市場に激しい変化が起こっていることに気づかない。そして、実際、そうしたケースが増えてきたという。
「第3のプラットフォームにで新たな競合が次々と台頭しはじめた。市場が激しく変化しているが、CEOやCIOの多くは、それに対応できずにいる。破壊的なインパクトを自社に取り入れ、新しい仕事のスタイルへとトランスフォームしていくことが必要だ」(Ng氏)
IDCの調査では、第3のプラットフォームに対して、経営層は主に2つの点で懸念を抱いている。1つは、オペレーションコストが増大すること。テクノロジーを活用するためのITシステムのコストのほか、人材コスト、運用コストが増えることを気にしている。もう1つは、ビジネスモデルが変わること。テクノロジーの台頭により、異業種からの新規参入が増え、自分たちの市場が脅かされる可能性がある。また、新しい市場にも対応していかなければならない。