「Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 6.x」向けのプログラムが、ポーティング作業を実施することなしに「RHEL 7」上で動作するとは限らない。こういった点が問題になるのであれば、Red Hatによってその正式リリースが発表されたばかりの「RHEL 6.6」の出番だ。RHEL 6.6の特長をひとことで述べると、RHEL 7の一部機能をRHEL 6.6向けにバックポートした製品ということになる。
主な改善はパフォーマンスとシステム管理、仮想化という3つの部分に対して実施されている。
まず、パフォーマンスが最適化されている。RHEL 6.6では、最大4096個のx86プロセッサコア(64ビット)と、64テラバイトのRAM、8エクサバイトのストレージをサポートするようになった。
また、Non-Uniform Memory Access(NUMA)システムの採用によってより効率的なCPUの利用が図られている。
さらに、ネットワークスタックも改善されている。より多くの40ギガビットイーサネット対応ネットワークアダプタをサポートするとともに、ネットワークのレイテンシやジッタを低減することで、高パフォーマンスで低レイテンシなアプリケーションをサポートしている。
なお、後者を実現するために、RHEL 6.6には同社の「High Performance Network」(HPN)アドオンが組み込まれている。
配備やシステム設定における高可用性(HA)を実現するために、RHEL 6.6は「HAProxy」とkeepalivedロードバランサをフルサポートするようになった。またRHEL 6.6には、準拠テスト用として、米国立標準技術研究所(NIST)の新たなSecurity Content Automation Protocol(SCAP)準拠の機能とともに、分散環境における監視と管理の充実を図るPerformance Co-Pilot(PCP)が含まれている。
最後になったが、仮想化されたサーバが物理的なサーバを数で上回るようになった世界に合わせ、RHEL 6.6では仮想ゲスト機能の向上が図られているという点も外せないだろう。特にRHEL 6.6はRHEL 7上のKVMゲストとしても問題なく動作する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。