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Dreamforce 2014

セールスフォースがBI市場に参入する理由--モバイルアプリ向けPaaSの実態

田中好伸 (編集部)

2014-10-15 18:45

 米Salesforce.comは10月13~16日、イベント「Dreamforce 2014」を開催。イベント2日目の基調講演で同社最高経営責任者(CEO)のMarc Benioff氏は、同日発表されたモバイルアプリを開発するためのPaaS「Salesforce1 Lightning」、イベント初日となる前日に発表されたSaaS型のビジネスインテリジェンス(BI)ツール「Salesforce Analytics Cloud」、その開発基盤であるPaaS「Wave」を開設した。

 Benioff氏によると、今回で12回目となるDreamforceの参加登録者は約14万5000人、展示会への出展企業数は400。イベントの講演はネットからも見られるが、その視聴者数は500万に上るという。

至るところに“革命”

 1970年代に高校生だったBenioff氏はメインフレームのターミナルを作ったという記憶を振り返り、現在は「iPhone」のようなコンピュータが「何億台も世界にあって、ネットにつながっている」状況にあると表現した。ネットにつながっているのはコンピュータだけではなく、「カメラやクルマもつながっている」(Benioff氏)

Marc Benioff氏
Salesforce.com CEO Marc Benioff氏

 スマートフォンで個人はネットにつながるとともに、センサなどでも個人の生活はネットにつながる世界が現実的なものになりつつあるが、ここでBenioff氏は、「企業は顧客とつながっているだろうか?」という疑問を提示。Benioff氏は「多くの企業は顧客とつながっていない」と言及。企業は最終的に顧客と向かい合う必要があると話した。

 PCやスマートフォンなどのコンピュータのほかにさまざまなものがネットにつながろうとしている社会についてBenioff氏は「革命が起きている」と言い換えた。2017年までに50億台のスマートフォンが普及するという予想を挙げて“セールス革命”が起きるだろうと言及した。スマートフォンの普及拡大で、スマートフォン経由で製品やサービスを購入することが当たり前になるためだ。ECサイトのあり方や作り方もモバイル端末を前提としたものにならざるを得ない

 同じく2017年での予想として、750億台の製品がネットにつながると言われている。製品がネットにつながることで、情報を収集できたり、製品そのものを制御したりできるようになる。つまり、ビジネスのあり方がこれまでと異なるものになる。製品を通して顧客にサービスを提供するというビジネスに変化することになる。「サービス革命」(Benioff氏)が起きる。

 これ以外にも革命が進みつつあるとBenioff氏は言及した。ウェアラブルの世界を示すものとして活動量計「Fitbit」を挙げて、企業と顧客とのワントゥワンの世界を築けるとして「マーケティング革命」を挙げた。ソーシャルメディアのユーザーが23億人になりつつあることに触れ、企業や組織がソーシャルメディアを利用したり、ソーシャルメディア的な使い方をしたりといった「コミュニティ革命」が起きるとの見方を示した。

 さらにBenioff氏は「アプリ革命」を挙げた。現在は、顧客との接点を求めて企業はさまざまなモバイルアプリを開発、提供している。ここでのモバイルアプリは、基本的にクラウド上にデータやシステムがあって、そのタッチポイントとしてモバイルアプリを活用するというものだ。「すべての企業はクラウドカンパニーやソフトウェアカンパニーになることができる」(Benioff氏)

 そしてBenioff氏は「データ革命」にも触れた。これはよく指摘されるデータの爆発的増加であり、世界全体で過去2年間に生成されたデータの90%は企業や組織ではなく個人によるものだ。ある予測では、2020年までに、モバイル端末から生成されるデータは現在の10倍、非構造化データは19倍、製品から生成されるデータは50倍と言われている。

 ここでBenioff氏は「データデバイド」という言葉を掲げた。企業が蓄積してきたデータとその企業の活用の間に分裂があるという。販売部門や販売代理店、マーケター、そして経営陣などはデータを生かし切れていないのではないかということだ。すなわち、CognosやBusinessObjects、Hyperionといった既存のBIツールでは不足しているという主張とも取ることができる。

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