IDC Japanは10月15日、ドキュメントの印刷やスキャン、処理などの業務に関するアウトソーシングサービスを示す「ドキュメントアウトソーシングサービス」市場の調査と予測を発表した。2013年は2558億5800万円、2013~2018年の年平均成長率(CAGR)を7.2%、2018年の市場規模を3622億400万円と予測している。
IDCではこの市場を、集中コピーセンターを管理する「インハウスプロダクションプリントサービス」、イメージのスキャンとスキャンしたドキュメントの保管をアウトソーシングする「イメージング/ドキュメントアーカイブサービス」、外注印刷を最適化する「プリントソーシング/プロキュアメントサービス」、ドキュメントに関するビジネスプロセス全体をアウトソーシングする「BPO(Business Process Outsourcing)ドキュメントサービス」の4分野に分類している。
このうち、2013年の国内ドキュメントアウトソーシングサービス市場の中で最大の売り上げとなったのはBPOドキュメントサービス。中でも、請求明細やダイレクトメールなどの印刷/発送を一括してアウトソーシングする出力業務関連のBPOドキュメントサービスは1716億3800万円だった。
また、印刷だけではなく、返送された書類の入力やエンドユーザーからの問い合わせ対応など関連する業務全体をアウトソーシングする、関連業務全般に関するBPOドキュメントサービスは479億4800万円。その他の分野の売り上げは、インハウスプロダクションプリントサービスが120億8700万円、イメージング/ドキュメントアーカイブサービスが202億9100万円、プリントソーシング/プロキュアメントサービスが38億9500万円とした。
国内ドキュメントアウトソーシングサービス市場は今後も堅実な成長が期待されており、2013~2018年のCAGRは7.2%と予測している。ただし、IDCではサービス分野により成長率に違いがあると予測しており、BPOドキュメントサービス(出力業務)のCAGRは8.2%、BPOドキュメントサービス(関連業務全般)のCAGRは7.6%と成長を予測している一方、インハウスプロダクションプリントサービスのCAGRは0.9%、イメージング/ドキュメントアーカイブサービスは1.3%、プリントソーシング/プロキュアメントサービスは1.2%の成長は限定的とした。
IDCは、ドキュメントアウトソーシングサービス市場は、BPOドキュメントサービスを中心に成長傾向にあるとし、マイナンバー法への対応など、需要が発生することが予想されることから、市場拡大が期待できると分析している。
2011~2018年 国内ドキュメントアウトソーシングサービス市場 サービス分野別 売上額予測