NECは10月16日、メインフレーム「ACOSシリーズ」の中型機「i-PX9800/S100」とフルSSD対応のACOSシリーズ専用ストレージ「iStorage A3000/100」の販売を同日から開始すると発表した。価格はi-PX9800/S100とiStorage A3000/100が1台で月額195万円(周辺装置を含む最小システム構成、税別)から、出荷開始は12月25日。
i-PX9800/S100(NEC提供)
i-PX9800/S100は、メインフレームの大型機「i-PX9800/A100」に搭載しているNEC製プロセッサ「NOAH-6」を採用、メモリミラー機能や仮想計算機機能を取り入れ、高効率電源を採用した。従来機「i-PX9000/S300」との周辺装置を含む最小システム構成における比較で、消費電力を最大50%削減、コンパクト設計により設置面積も最大45%削減している。
主な特徴は以下の通り。
・メモリミラー機能により信頼性を向上
i-PX9800/A100に搭載していたメモリミラー機能を中型機で採用。同一のデータを常に2つのメモリブロックへ書き込むことで、万が一メモリの訂正不可障害が起こった場合でも、業務を継続できる。
・運用コストを低減させる省電力、省スペース設計
高集積プロセッサを採用するとともに、80 PLUS Platinumの認証を得た高効率電源の採用により、消費電力を最大50%削減。また中央処理装置や入出力装置のコンパクト設計などより、従来2筐体で構成されていたシステムを1筐体に集約可能とし、従来機と比較して設置面積を最大45%削減。
・仮想計算機機能により柔軟性を向上
1つのホストOS上に最大10個のゲストOSを動作させることが可能な仮想化に対応。従来、本番システムに混在させて稼動していた開発業務システムを、仮想環境で運用させることにより、本番システムと分離することが可能で、本番システムへ影響を与えることなく新たな業務システムの評価などを実施することが可能。
・フルSSD対応高性能ストレージ
iStorage A3000/100では、2.5型SSDを採用することで装置サイズを最小2Uに小型化し、i-PX9800/S100の1筐体に従来機(「iStorage A2700」と「iStorage A3000/100」)に比べ約1.5倍となる約3TBの容量が搭載可能。また、高性能SSDを採用することで、キャッシュミス時のランダムアクセス時間を大幅に短縮するとともに、従来機と比較して約4倍のスループット性能を実現。
・オープンシステムとの連携を強化
i-PX9800/A100で開発したメインフレーム用OS「ACOS-4/XA」を中型機でも採用。メインフレームとオープンシステムとの双方向データアクセス機能や通信処理速度の向上を図り、メインフレームの保有する基幹データとビッグデータ処理を行うオープンシステムとの連携を強化することで、新規領域へのビジネス展開や新たな価値創出を実現する。