サンフランシスコ発--Salesforce.comの2013年のテーマは、接続型ビジネスアプリをモバイルデバイスで利用できるようにすることだった。
2014年のDreamforceのテーマは、カスタマイズされたユーザーインターフェースと開発機能も追加して、さらに包括的なパッケージを提供することだという。Salesforceの共同創設者であるParker Harris氏は米国時間10月15日、パネルディスカッションでこのように語っている。
Harris氏は、ウェアラブルのトレンドを、Salesforceの革新を推し進める重要な手段と評したが、「企業はいまだにモバイルの段階にいる」と嘆いた。
Salesforceの製品担当プレジデントであるAlex Dayon氏は、モノのインターネット(Internet of things:IoT)という動きが定着するなか、「この新しい世界で生き残る」企業とは、こうした流れに沿って自社を変革できる企業だと主張した。
さらにDayon氏は、革新を推し進めていく上で極めて重要な要素が2つあると述べた。同氏はそれを、革新とはチームスポーツであるという意識を持つこと、そして顧客の声に耳を傾けること、と定義している。
Dayon氏は、「20の新機能をリリースしても、それを使うのが素晴らしいと思ってくれる人がいなければ、何の意味もない」と強調した。
Harris氏も歩調を合わせ、「革新は企業買収によって手に入ることもあれば、社内から発生することもある」と述べた。Harris氏とDayon氏はいずれも、最近の多くの進展の要因として、ビジネスインテリジェンス分析の新興企業EdgeSpringを2013年に買収したことを挙げた。
Salesforceが、革新に貢献した最新の製品であると自認しているのは、「Salesforce1 Lightning」フレームワークと、「Project Wave」による「Salesforce Analytics Cloud」だ。両プラットフォームとも発展の過程にあり、自社の顧客を再びターゲットに設定し、Salesforceクラウドによって接続型アプリとデバイスを構築させようとしている。
Harris氏は、Salesforceのモバイル構想の中心が「iOS」「Android」「Windows Phone」であることを明確にし、Blackberryが最優先事項でないことを認めた。
あらゆるものが、ウェブサイト的な外観から、はるかにリッチなUIに変わった、とHarris氏は述べる。社内向け製品だったLightningを顧客にリリースするのはそのためだという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。