IBMの今後--窮地から脱するために必要な6つの提言 - 2/7

Jason Perlow (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部 川村インターナショナル

2014-10-24 06:00

 IBMは、エンタープライズ分野の競合であるHewlett-Packard(HP)や富士通、Oracleと同様、「ファブレス」になる。こうした競合企業は、UNIXベースの高速大型エンタープライズサーバも販売するが、他社が製造したプロセッサを採用している。

 HPは、同社の「Itanium」ベースの「Nonstop」「Superdome」システムにIntelのプロセッサを使っており、OracleはTSMC(GLOBALFOUNDRIESの最大のライバル)製プロセッサで「UltraSPARC」を構築している。富士通はLSI Corpと提携して独自の「SPARC」アーキテクチャチップを開発している。

 GLOBALFOUNDRIESは、Advanced Micro Devices(AMD)が分社化したチップ製造部門と、合併したChartered Semiconductor Manufacturingから成るカリフォルニア州の企業。ペルシア湾に面したアブダビ首長国(アラブ首長国連邦の一部)の王族も出資する。

 IBMは半導体メーカーとして組み込み型システム業界向けにさまざまなチップを製造したが(その1つである「PowerPC」は、「Xbox 360」や「PlayStation 3」(PS3)、任天堂のゲーム機のCPUで、ほかの業界でも使用されている)、GLOBALFOUNDRIESが引き継ぐニューヨーク州イーストフィッシュキルとバーモント州エセックスジャンクションの工場は、IBMのUNIX/Linuxサーバ「System p」やメインフレーム「System z」に搭載される「POWER」アーキテクチャチップを製造する。

 統合型アプライアンス「PureSystems」を別にすれば、IBMが今も製造しているコンピュータシステムはこれだけだ。同社はIntelベースのサーバシリーズをLenovoに売却し、2004年にはPC事業をLenovoに売却している。

 同じく「ファブレス」企業であるAppleを見ると分かるように、自社でチップ製造能力を持たないことは、必ずしも悪いことではない。しかし、歴史を振り返れば、人材の流出とチップ設計に関する重要な専門的知識の喪失は破滅を招きかねない。

 HPもかつては独自のチップを製造する能力があった企業だ。同社がCompaqとの合併によって手に入れたDigital Equipment Corporation(DEC)も、「Alpha」スーパーコンピューティングチップを製造していた。DECはCompaqに買収された後、Alphaの製造を終了し、製造能力をサムスンに売却した(AlphaのバステクノロジはAMDにライセンス提供され、最終的にGLOBALFOUNDRIESへと行き着いた)。

 HPはその後、「PA-RISC」プロセッサシリーズを終了して、自社での製造を打ち切る決断を下し、IntelとItaniumで提携した。

 その後の展開は周知のとおりだ。

 System pとSystem zが、今後もIBMの最も重要な最高クラスの高性能マシンであり続け、企業に引き続き採用してもらうためには、IBMはこれからも半導体のエンジニアリングプロセスに積極的に関与する必要がある。

 IBMは、エンタープライズ分野の競合であるHewlett-Packard(HP)や富士通、Oracleと同様、「ファブレス」になる。こうした競合企業は、UNIXベースの高速大型エンタープライズサーバも販売するが、他社が製造したプロセッサを採用している。

 HPは、同社の「Itanium」ベースの「Nonstop」「Superdome」システムにIntelのプロセッサを使っており、OracleはTSMC(GLOBALFOUNDRIESの最大のライバル)製プロセッサで「UltraSPARC」を構築している。富士通はLSI Corpと提携して独自の「SPARC」アーキテクチャチップを開発している。

 GLOBALFOUNDRIESは、Advanced Micro Devices(AMD)が分社化したチップ製造部門と、合併したChartered Semiconductor Manufacturingから成るカリフォルニア州の企業。ペルシア湾に面したアブダビ首長国(アラブ首長国連邦の一部)の王族も出資する。

 IBMは半導体メーカーとして組み込み型システム業界向けにさまざまなチップを製造したが(その1つである「PowerPC」は、「Xbox 360」や「PlayStation 3」(PS3)、任天堂のゲーム機のCPUで、ほかの業界でも使用されている)、GLOBALFOUNDRIESが引き継ぐニューヨーク州イーストフィッシュキルとバーモント州エセックスジャンクションの工場は、IBMのUNIX/Linuxサーバ「System p」やメインフレーム「System z」に搭載される「POWER」アーキテクチャチップを製造する。

 統合型アプライアンス「PureSystems」を別にすれば、IBMが今も製造しているコンピュータシステムはこれだけだ。同社はIntelベースのサーバシリーズをLenovoに売却し、2004年にはPC事業をLenovoに売却している。

 同じく「ファブレス」企業であるAppleを見ると分かるように、自社でチップ製造能力を持たないことは、必ずしも悪いことではない。しかし、歴史を振り返れば、人材の流出とチップ設計に関する重要な専門的知識の喪失は破滅を招きかねない。

 HPもかつては独自のチップを製造する能力があった企業だ。同社がCompaqとの合併によって手に入れたDigital Equipment Corporation(DEC)も、「Alpha」スーパーコンピューティングチップを製造していた。DECはCompaqに買収された後、Alphaの製造を終了し、製造能力をサムスンに売却した(AlphaのバステクノロジはAMDにライセンス提供され、最終的にGLOBALFOUNDRIESへと行き着いた)。

 HPはその後、「PA-RISC」プロセッサシリーズを終了して、自社での製造を打ち切る決断を下し、IntelとItaniumで提携した。

 その後の展開は周知のとおりだ。

 System pとSystem zが、今後もIBMの最も重要な最高クラスの高性能マシンであり続け、企業に引き続き採用してもらうためには、IBMはこれからも半導体のエンジニアリングプロセスに積極的に関与する必要がある。

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