サンフランシスコ発--Microsoftは米国時間10月20日の朝、秋雨の降るサンフランシスコのベイエリアでクラウドに関するイベントを開催した。今回のイベントは、クラウド戦略に関する新情報を発信する場であるとともに、同社のインフラをGoogleのインフラや「Amazon Web Services」(AWS)と差別化するさらなる機会と位置付けられる。
また、Microsoftの最高経営責任者(CEO)Satya Nadella氏は、同社のクラウドが他社のアプリやアーキテクチャとうまく連携できるものだという点を今までと同様にアピールした。
Nadella氏は「われわれは、このモバイルファースト、クラウドファーストという世界にしっかり適応している」と述べ、「個人のエクスペリエンスの機動性はデバイスのみにとどまらない」という点に注力するビジョンを明確にした。
Nadella氏によると、Microsoftのユニークな成果は、個々の従業員やチーム、業務プロセスにとっての生産性やプラットフォームを基盤にしている。その中心には「Microsoft Azure」や「Office 365」「Microsoft Dynamics」を核とした「ユビキタスなプラットフォーム」があるという。
「ユーザーは、アプリケーションにおける1つか2つの問題に振り回されたくないと思っているはずだ」と語るNadella氏は、Microsoftのクラウドは「Windows Server」やLinuxから「iPhone」に至るまでの、さまざまな機器やOSをサポートすると強調した。
同氏は、こうしたプラットフォームやデータスタックのサポートによって、どのような言語やフレームワークを使用している開発者であっても自らのコードをAzureに移植できるのだと続けた。
同氏は「われわれは、Azure上に孤立した大規模クラウドを構築しているわけではない」と述べ、「他のクラウドとうまく連携できるようなクラウドを構築している」と語った。
Microsoftのクラウド&エンタープライズグループのエグゼクティブバイスプレジデントであるScott Guthrie氏は、この12カ月間におけるAzureの一連の進歩について説明した。
Guthrie氏によると、Azureは毎週1万以上の顧客を獲得しており、「Active Directory」ユーザーの数は現時点で3億5000万人以上に達しているという。また、Azureの顧客の60%以上が現在、より高いレベルのサービスを契約しており、Azureの売上高の40%は新興企業や独立系ソフトウェア会社(ISV)からのものとなっているという。
Microsoftは特に新興企業やISVのさらなる利用を狙い「Azure Marketplace」を開始し、Azure向けの「Cloudera」をローンチする。
Nadella氏は、企業パートナーの一例としてClouderaを引き合いに出した。Clouderaは自社のインスタンスをAzure上で稼働させることにより、ビッグデータを処理してそこから得た情報をOffice 365に直接引き渡しつつ、ハイブリッドかつスケーラビリティに優れたサポートを享受できるようになる。