IDC Japanは10月27日、2013年の国内x86サーバ市場の競合分析結果を発表した。2013年は、前年比14.2%増の2904億円、出荷台数は前年比0.1%増の56万1000台だった。出荷額は円安の影響による販売価格への転嫁が進んだことや、サーバ仮想化の導入によるメモリなどの搭載量の増加によって平均単価が上昇した。
2013年は、出荷額はNECが1位を堅持したが、出荷台数では富士通がNECに追い付き同率1位だった。ユーザー企業が海外の委託者生産(Original Design Manufacturer:ODM)メーカーにサーバを直接発注する「ODM Direct」が頭角を現すなどの変化があったという。
今回の競合分析は、x86サーバの市場をベンダー別、形状別、ソケット別といった製品カテゴリで分析している。また、市場の構成比が高い、主要な形状別、ソケット別で見たベンダーごとのシェアの推移を分析している。例として、1ソケットのタワー型サーバの2013年の出荷台数シェアは富士通が1位、NECが2位、2ソケットのラックマウント型サーバでは、HPが1位、NECが2位だった。2ソケットのブレードサーバでは、NECが1位、HPが2位となった。
近年伸びている高密度型サーバのカテゴリでは、ODM Directが1位、デルが2位を占めるなど製品カテゴリによって事業者のランキングが異なっていることがわかる。サーバ事業者は、得意な製品カテゴリのシェアを維持しつつ、シェアの低い製品カテゴリへの強化を図ることで同市場でのシェア向上を狙えるとした。
IDC は「これまで成長セグメントであったx86サーバも今後、市場が停滞すると見込まれる状況下では、事業者は自社の得意分野を見極め、どの製品カテゴリに注力するかの戦略を練ることが重要である」と述べている。
2013年 国内x86サーバ市場 主要ベンダー6社の製品カテゴリ別出荷台数シェア