比較材料として、2014年第2四半期に「Chromebook」の全メーカーの販売台数が計95万台を記録したことは、言及しておく価値がある。数百万台や数十億台ではなく、95万台だ。販売台数は伸びているかもしれないが、Chromebookは依然として、期待を裏切ったMicrosoftの「Lumia」シリーズの販売台数の10分の1にも満たない。両デバイスの平均販売価格は、ほぼ同じだ。
さらに、名声が市場の業績とは全く釣り合わない象徴的なブランドもある。
例えば、Appleの「Mac」は直近の四半期、全世界で550万台の販売台数を記録した。これは、1四半期の合計販売台数としては、過去最高の数字だ。しかし、それが全世界のPC出荷台数に占める割合は、わずか6%程度である。そして、現在、Macのインストールベースは、Lumiaのインストールベースとほぼ同じ規模だ。
Microsoftが直近の四半期に販売した「Xbox」ゲーム機の台数は、「わずか」240万台だった。この合計は、おそらくソニーの「PlayStation」の販売台数より若干少ない。約10年前に開始されたゲーム事業はほとんどの尺度で成功と判断することができるが、Microsoftはゲーミング分野から完全に徹底すべきだと主張する批評家もいる。
「TiVo」についても触れておくべきだろう。TiVoは英単語にもになっている。ケーブルテレビ会社や衛星放送会社が提供するDVRを利用している人も、おそらく番組を録画する行為を「TiVoする」と表現しているはずだ。しかし、TiVoの事業は、筆者が先に述べた企業群の領域には達していない。直近の四半期、TiVoブランドのハードウェアを使用するTiVoの契約者数は、わずか93万7000人だった。そして、同社は最近の複数の決算期間に1四半期あたり2万人ほどのペースで、同カテゴリの契約者を失っている。
一方、独自のハードウェアを全く持たないNetflixは成長を続けている。直近の四半期には300万人以上の有料ストリーミング会員を獲得し、5000万人の大台を突破した。
本記事の教訓は、数字がすべてではない、ということだ。小規模でも経営状態が良い企業は、市場を独占することは決してないとしても、世界を変えることは可能である。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。