テレワークがもたらす新たな連携の可能性--日本マイクロソフトの取り組み - (page 3)

三浦優子

2014-10-30 07:30

 さらに、新しいビジネスが発生するチャンスもあるとしていることが大きな特徴となっている。


日本マイクロソフト Officeビジネス本部 小国幸司氏

 生産性向上については「帰りの電車の中で、返事をしていなかった案件があったことに気が付き、確認する相手の状況をLyncを使って確認。テレビ会議ができる状況であればその日のうちにテレビ会議をし、翌日まで問題を持ち越さずに済む」(日本マイクロソフトのOfficeビジネス本部 小国幸司氏)といった実体験が紹介された。

 「コミュニケーションはテレビ会議よりもフェイス・トゥ・フェイスで行うことが一番だとは思うが、相手がいないせいで会議開催まで5日間かかる、あるいは会議のメンバー全員がそろわないので会議ができないといった時間的なロスが生まれるような場合、テレビ会議で時間のロスを極力なくすことができる。社内業務のスピードアップに効果があるのだ」(織田氏)

 新規ビジネスについては「自宅で働くことが増え、高級オフィスチェアを購入する社員が出ている。これまで自宅では購入することはなかった家具の導入が拡大している」とのこと。また、社外で作業をする際、隣の人に聞かれたくない話をする場所がないという悩みを明らかにしたところ、第一興商から利用者が少ない昼間のカラオケボックスを活用するという提案があったという。

 「まだ話が始まったばかりだが思わぬ発展が起こる可能性もある」(織田氏)と新たな企業コラボレーション、テレワーク向け製品マーケットが生まれる可能性を示唆した。

 ただし、企業がテレワークを導入する際、IT機器以外にも人事制度など整えなければいけないものがある。

 「日本マイクロソフトの場合、経営ビジョン、制度やポリシー、ICT活用、オフィス環境、マインドという5本の軸をベースに、ワークスタイル変革という大きな目標を実現するためにテレワークを積極的に取り入れている」(小国氏)


日本マイクロソフトのワークスタイルの変革

新しい働き方が社員に浸透

 こうした社内改革は必要ではあるものの、「(テレワーク実践は)机上では考えられなかった動きを経験する機会でもある。正式に決定しなければならないことはたくさんあるが、決定前にやってみて、そこで起こった課題を考えてみることも必要」と織田氏は話している。


賛同企業である日本ビジネスシステムズの社員が日本マイクロソフト社内で業務を体験

テレワーク週間ということで、日本マイクロソフト社内には人の姿がない状態

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]