ノキアの日本での事業方針--2020年にネットワーク容量を1000倍に - (page 2)

大河原克行

2014-11-05 07:30

 また、2007年以降、協力関係があったパナソニックシステムネットワークのキャリア向け無線ネットワーク事業を買収すると10月8日に発表。2015年1月から一体化した事業運営を行う。取得するのは通信事業者向けの無線基地局システム事業、光・無線中継装置などの応用無線機器システム事業。「これによって、さらに品質を高めることができ、また、製品ポートフォリオを拡大することができる。結果として、日本における事業を加速できる」などと語った。

 タカラ社長は、「2015年以降は事業の拡大、パートナーとの連携によるポートフォリオの拡大、日本が求める高い品質という3つの観点から事業を推進する。それに向けて、人材に焦点を当て、能力を開発する。新技術をタイムリーに提供していく。現在、日本には川崎にR&Dセンターを持つほか、8カ所の拠点があり、これらを生かしてイノベーションを推進する」などと話している。


ノキアソリューションズ&ネットワークス テクノロジー・ディレクター 赤田正雄氏

 一方、同社テクノロジーディレクターを務める赤田正雄氏は、同社が掲げる「Technology Vision 2020」について説明。「Technology Vision 2020で目指すのが、1人1日あたり1GBというデータ量に向けたモバイルネットワーク環境の構築だ。

 2020年を目標に、ネットワーク容量を1000倍にし、ネットワークの遅延をミリ秒とし、ネットワーク制御の自律化、消費電力のフラット化、テレコムインフラのクラウド化、ネットワークサービスのパーソナル化という6つの観点からこの実現に取り組む」と語った。

 さらに、赤田氏は、第5世代モバイル通信(5G)に向けた取り組みについても言及。「5Gに対しては、10Gbpsのスループットや、1ミリ秒以下というレイテンシの実現、低消費電力といったさまざまな要件が求められており、これまで以上に幅広いユースケースが見込まれている。5Gは要件がようやく決まろうとしているが、2020年には実用化が見込まれる。Nokiaでは、大学や顧客との連携、産業界や学術界、規制当局を巻き込んだ検討、ITU-Rへの積極的な参加を通じて、5Gに対して積極的に関与していきたい」とした。

 なお、ノキアソリューションズ&ネットワークスでは、10月28日に、年次イベント「Experience Day 2014」を同社の六本木オフィスで開催。同社の最新技術とソリューションを展示した。


「Experience Day 2014」

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