柔軟な利用形態を目指すスペシャライズ型ERP
SaaS型ERPを業種特化型で提供することの利点を強調するPhillips氏だが、一方で、ユーザーには柔軟な利用形態ができると話す。
「実際ユーザーの利用方法はいろいろです。例えば、本社はSAPを使い、子会社や各部門はCloudSuiteを利用する。2つのソフトウェアがうまく連携されていれば問題はない。買収した会社や新しい拠点で新たにCloudSuiteを使うことで、これまですべて本社と同じソフトウェアを下部組織にも使わせるよりも、はるかに迅速にシステムを稼働させることができたというユーザーの声があります」(Phillips氏)
日本法人の代表取締役社長、尾羽沢功氏
これについては、日本法人の代表取締役社長、尾羽沢功氏も次のように話す。
「日本の顧客から聞こえてくるのは、たとえERPであっても迅速に各拠点に導入、稼働させることが大切という声です。こうしたニーズは日本のサプライヤーやシステムインテグレーター、ITコンサルティング企業にも当然伝わっていて、各方面から『Infor CloudSuite』に関する問い合わせ、引き合いは予想以上に来ています」
Phillips氏は「垂直統合のような導入から特化型の導入の時代へ」と説明する。かつて自動車メーカーがタイヤに使うゴムの製造まで自社で事業化していたように、今の多くのERPは何もかもどんな業種でも使えるように機能を配置しているというわけだ。それに対して、これからのERPはスペシャライズ、つまり業種特化型に進んでいくはずだということなのだろう。