Microsoftが大好きなのはLinuxだけではない。数十年にわたる抵抗の末、Microsoftは、「Hadoop」や「Docker」コンテナ、Facebookのデータセンタープロジェクト「Open Compute」といった、多種多様なオープンソースプログラムをサポートしている。実際のところ、Microsoftは、「.Net」の一部など、独自のテクノロジのオープンソース化を進めてさえいる。
もちろんMicrosoftは、Linuxから直接利益をあげてもいる。同社の「Android」関連特許は、疑わしいところがあるかもしれないが、そこからの利益は依然として「Windows Phone」からの利益より10億ドルも多い。
注意深く見ていたら、Microsoftがその「アンチLinux」の態度を、数年前から変え始めていたことが分かっただろう。
2008年に、当時Microsoftのプラットフォームテクノロジ戦略部門とオープンソースソフトウェアラボのディレクターだったSam Ramji氏は、「Microsoftのオープンソース戦略は、さまざまなものからなる現在のテクノロジの世界で、顧客やパートナーの成功を支援することに注力している」と述べた。
2008年、Microsoftはオープンソースソフトウェアとの親和を始めつつあった。
Microsoftは大口をたたいているだけだと思った人もいたかもしれない。すると、Microsoftはオープンソース開発について単に語るだけでなく、実行するのだということを示し始めたのだ。
2011年までに、MicrosoftはLinuxカーネルへのコード寄贈者として第5位になっていた。Microsoftは何をしていたのだろうか。Linuxが、Microsoftの仮想化システム「Hyper-V」ときちんと連携するようにしていたのである。Hyper-VはAzureの中心になっている。
これで分かるように、Microsoftが強い関心を持っているのは、Linuxやオープンソースそれ自体ではない。2014年の世界が、従来のデスクトップとアプリケーションからなるコンピュータのパラダイムを離れて、デバイスとクラウドサービスによるアプローチへと進んでいるという点だ。Microsoftは前者を支配していた。しかし、後者の世界で競争者であり続けるためには、Microsoftは、自分たちが他の人々と協力し、仲良くやっていかなければならないことに気づいたのだ。そう、その相手がたとえLinuxだとしても。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。