従業員に「あらゆる選択」を提供する
従業員の選択肢はICTツールに関するものに限らない。図4では業務場所に触れているし、複数の人事制度を従業員が選択できる企業も存在する。女性の活用や働き方の多様性に対応するためにも、従業員に「あらゆる選択」が提供できていることが望ましい。
また、ワークスタイル変革を成し遂げ従業員価値を最適化するためには、社内の複数の部門の連携が不可欠になるのは自明である。さらに多くの場合、自社内のリソースだけで変革を実行するのは難しく、それぞれの部門と関わりのある社外の変革パートナーが存在するはずだ。
つまり、変革の実行体は大きく複雑な形になりがちである。これから迎えるIoT/IoE時代では、社外の変革パートナーに対して「競争」ではなく「共創(もしくは協創)」を促していかなければならないのだが、この論は次回に引き継ごう。次回連載第4回は、ワークスタイル変革を押し進める際の組織体制・実行体制について、「共創」をテーマに具体的に掘り下げる。デジタルバリューシフトを促す組織・実行体制を得るためのポイントについて議論を深めていきたい。
- 林 大介
- シスコシステムズ合同会社 シスココンサルティングサービス マネージャー 電機メーカのエンジニア、通信システムインテグレーターのセールスを経てコンサルティングの道へ。ネットワーク、モバイルを中心とし た戦略立案、新規事業開拓、テクニカルアドバイザリーを中心としたプロジェクトを多数実施。昨今はクラウド、M2M、IoT/IoE などの技術トレンドを背景にしたワークスタイル変革に注力し、変革実行支援やソリューション販売支援などを手がける。