Facebook詐欺の約3件に1件は、「dislike」(やだね!)ボタンや、タイムラインの配色のカスタマイズなど、Facebookが搭載してもいない機能で被害者をだましていた。
Facebookの機能をかたった詐欺(詐欺全体のほぼ3分の1)は、ソーシャルネットワークのプロフィールやエクスペリエンスの重要性が高まっていることに基づいている。
自分のアバターを飾り立てたいという欲求は、自分のイメージを操作したいという普遍的なものだ。追加機能はどれも、自分のイメージやエクスペリエンスを向上できる可能性のあるものとみなされるようになっている。
ユーザーは、それ以外のオフラインの世界では非常に賢いのだから、必要なのはソーシャルネットワークとその機能についての知識だけだ。
気掛かりなことに、Bitdefenderの研究者は次のようにも書いている。
Facebook詐欺の下位2つのカテゴリは、現在の比率は少ないものの、着実に増加してきている。有名人のセックス動画詐欺や、残虐行為のニュース(殺人や児童虐待など)は、新しいものが出るたびに何千人もの被害者を引きつけている。そうしたニュースには魅力的な動画も「含まれて」いるからだ。
(中略)子どもや10代の若者は、残虐的な動画の詐欺に最もさらされやすく、その数は今後増大すると予想している。
Facebookは2013年5月に、斬首映像の投稿を一時的に禁止したが、同年10月にはその禁止を解除した上で、そうした映像がニュースとして、あるいはそうした行為への非難として表示されるのであれば、引き続き投稿を許可すると述べている。暴力的過激派の台頭を印象づけている近頃の事件を踏まえて、Facebookの方針は最近、改めて厳しい目にさらされている。
われわれは、クリックベイトに引っかかるような人たちは、あまり賢くないだけだと思い込みがちだ。
しかしBitdefenderの調査結果は、Facebook詐欺にだまされるユーザーは、Facebookのユーザーエクスペリエンスに対する自らの期待にだまされただけであり、それはユーザーの落ち度ではないことを示している。
Facebook詐欺は巨大なビジネスだ。数多くのFacebook詐欺は、トロイの木馬を使って銀行やブラウザのパスワードを手に入れることで金を稼いでいる。
Ultrascan AGIの報告書によれば、有名な詐欺である、いわゆるナイジェリア詐欺(現在では、典型的な電子メールでの活動を越えて広がっている)だけで、2013年の世界全体での被害額は127億ドルになったという。BitdefenderのセキュリティスペシャリストであるBianca Stanescu氏は米ZDNetに、「Facebook詐欺の被害はさらに高額になることが予想される」と語った。
FacebookのユーザーがFacebookと悪意ある詐欺を区別できないというのは、気の滅入る結論に聞こえる。一方、Facebook詐欺があらゆる人を攻撃対象としていることを示した、Bitdefenderの驚くべき報告書を考慮すると、その被害は悪化するばかりであり、あらゆる種類のユーザーをだまそうとしていることになる。
米ZDNetはFacebookにコメントを求めたが、回答はまだ得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。