IDC Japanは11月10日、国内PaaS市場を調査し、2013年の同市場の分析を発表した。2013年の国内PaaS市場規模は、前年比42.4%増の254億3800万円となった。
PaaS市場はクラウドベンダーの注力分野となっており、今後も高い成長が続くと期待される。2013~2018年の年間平均成長率(CAGR)は30.7%、2018年には969億6400万円に達するとIDCでは予測している。
IDCではPaaS市場を、「DBaaS(Database as a Service)」「APaaS(Application Platform as a Service)」「BPMaaS(Business Process Management as a Service)」「IPaaS(Integration Platform as a Service)」の4つの市場セグメントに分類している。
各セグメント別にみると、DBaaSが前年比46.4%増の113億1300万円、APaaSが前年比39.5%増の120億6300万円で、両市場がPaaS市場全体の9割を占める傾向が続いている。現時点のPaaS市場は純粋なアプリケーションプラットフォームとしての需要が中心となっており、クラウド間やクラウドとオンプレミスなどシステム間のインテグレーションの場面で用いられるBPMaaSやIPaaSの市場は大きくないと説明している。
2013年のベンダー別シェアでは、セールスフォース・ドットコムが1位、アマゾンが2位となった。Force.comでいち早く市場に参入したセールスフォース・ドットコムが引き続き市場をけん引するポジションを維持する一方、2位のアマゾン、3位のマイクロソフト、4位のグーグルそれぞれがより高い成長率を実現しており、IBMもPaaSの強化を打ち出すなど市場は盛り上がりを見せている。
同社ソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリストの草地慎太郎氏は、以下のように分析している。
「アプリケーション基盤としてのパブリッククラウドの活用については多くの企業で現実的な選択肢としてとらえられつつあるが、新しい環境に対する自社のスタッフのスキル不足、社内でのコンセンサスを取るためのROI(投資対効果)や障害時のリスクの見積もりなどが導入に際しての課題になっている。ベンダーは、パートナー事業者やユーザーグループを通じた支援を拡大していくことがPaaSの普及には重要であり、PaaS領域に注力するベンダーが増える中での差別化要素になる」
(IDC提供)