「Hadoop」の導入とイノベーションは速いペースで進んでおり、見識や価値を生み出すためにデジタル情報をやり取りする現在の「データ経済」において重要な役割を果たしている。
しかし、Hadoopは2015年にどのくらいの速さで、どこに向かうのだろうか。
Forresterが発表したHadoopに関する予測では、企業の導入トレンドと、それがエンタープライズベンダーの間にもたらしかねない混乱に焦点を絞っている。この予測の一部を紹介する。
予測1:「Hadooponomics」(Hadoopと経済学を意味するeconomicsを合わせた造語)によって、企業によるHadoopの導入は必須となる。評決は下された。Hadoopは、過剰宣伝のオープンソースプラットフォームだという罪には問われないことになった。Hadoopは、データレイク、従来型のアナリティクス、先進的なアナリティクス、ETL(データの抽出、変換、読み込み)レスなETL、アクティブアーカイブ、さらにはトラザクションアプリケーションなど、さまざまなユースケースにおいて、企業にとっての真の価値を証明している。そうしたユースケースには全て、Forresterが「Hadooponomics」と呼ぶものの力が働いている。データのストレージと処理を直線的に拡張できる能力だ。
この予測が意味するもの:残された少数派である、これまでぼうぜんとして戸惑っていた最高情報責任者(CIO)たちが、Hadoopを2015年の優先項目にするだろう。
予測2:Hadoopのスキル不足は解消されるだろう。Hadoopを理解するのはそれほど難しくない。Hadoopは分散型ではあるが、ファイルシステムでありコンピューティングプラットフォームである。APIはJavaだ。大したことではない。新しいオープンソースプラットフォームに取り組んでAPIを学ぶというのは、エンタープライズ向けのJavaアプリケーション開発者にとっては何も新しいことではない。彼らは、開発者として存続し、自分の職務経歴書を常に新しくしていくために、そうしたことを継続的に行う必要がある。Hadoopも何ら変わらない。企業が自社の既存のアプリケーション開発チームに、データレイクの構築や、Javaを使った「MapReduce」ジョブの開発といったプロジェクトの実行を求める状況になれば、Hadoopのスキル不足はすぐに解消するだろう。
Hadoopクラスタを維持するのに必要な運用スキルのことを忘れてはならない。これも同じ状況だ。DevOpsは絶えず複雑な異種環境に対処している。ビジネスインテリジェンスに慣れている人は、「SQL on Hadoop」を使えば、慣れ親しんだ方法で自分たちのデータにアクセスできるようになるだろう。そして、経験豊かなテクノロジ管理のプロフェッショナルたちが果敢に難題に立ち向かう一方で、オープンソースコミュニティーや商用ベンダーは、誰もがHadoopを簡単に使えるようにするために、より優れたツールを開発している。
この予測が意味するもの:CIOはプロジェクトを完了させるために、料金の高いHadoopコンサルタントを雇わなくてもよくなる。企業のアプリケーション開発者と運用担当者は、データや、インテグレーションポイント、アプリケーション、ビジネス上の課題などを理解しているため、Hadoopプロジェクトがより早く完了するようになるからだ。Hadoop内部で実行する予測分析のような、より複雑なアプリケーションのためのさらなるスキルは、いずれ必要になった時に徐々に築いていけばいい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。