日本IBMは11月12日、IaaS「SoftLayer」をユーザー企業が安心かつ効果的に利用できるようシステム構成や運用機能設計、セキュリティ情報などを業界別や業務別にまとめた「業界業務プロファイル」11種類を発表した。
業界業務プロファイルは、アプリケーションを構築、運用する上で必要なサーバ要件、ネットワーク設定、セキュリティ対応などの構成パターン、サーバやバックアップの運用、監視体制などの運用パターンを標準化、モデル化。加えて、運用支援サービスやセキュリティサービスなども含めて情報をまとめた。業界特有の要件に対応し、アセット化された設計を再利用するため、高品質ながら短期間で構築でき、構築や運用、保守の各コストの低減を支援するという。
例えば、金融プロファイルでは、金融業界で求められる「FISC安全対策基準」とベンチマークを実施した結果を加え、ユーザー企業の拠点との安全な接続方法、ユーザー企業が占有する物理サーバといったシステム構成パターン、個人情報管理、監査対応、ログの保存といった運用機能設計パターンを提供する。
ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)プロファイルでは、実績のあるアーキテクチャデザイン、最新CPUへの移行支援といったシステム構成パターン、膨大なファイルを高速転送するインフラ運用といった運用機能設計パターンが提供される。
IBMの提供するソフトウェアだけでなく、ビジネスパートナーが提供するソフトウェアなどと組み合わせたプロファイルも用意されている。ビジネスパートナーとの協業では、各社の製品などをSoftLayerで稼働させたり、各社のネットワークをSoftLayerの高速ネットワークに接続して提供したりすることで、エコシステムの拡大を図るという。
IBM製プロファイルは金融やゲーム業界、HPC、デジタルマーケティング、SAPグローバル展開、IoTサービスデリバリプラットフォーム。ビジネスパートナーによるプロファイルはエンジニアリングや顧客情報管理システム(CRM)、建設ドキュメント、ボイス・オブ・カスタマー(VoC)分析、電子データ交換(EDI)受発注。プロファイルは今後さらに拡充していく。
SoftLayerの東京データセンターを12月中旬に開設する。