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アジャイル開発とセキュリティを両立--マネーフォワード市川CIO - (page 3)

吉澤亨史 山田竜司 (編集部)

2014-11-20 14:58

--CIOの仕事として、運用と開発の割合はどのくらいか。

 純粋なインフラ運用は、時間にして2割くらいです。これは、現在は安定フェーズに入っているため、そのくらいの工数で十分ということです。苦労したフェーズのころは、そこに100%の時間を使って将来を見据えた設計や実装、土台を作っていました。現時点ではインフラと運用に大きな工数は使っていない状況です。

 どちらかというと、社内の人間も増えてアプリケーションを作るチームがそれぞれ役割分担を決めて、いくつかサービスごとにプロジェクトを組んでいます。以前、証券会社で仕事をしていたときには、プロジェクトマネジメント(PM)の職務を長いことやっていました。そのスキルをもとに社内でもPMのようなことをすることで、開発者が開発しやすい状況や、できるだけ短い時間でコミュニケーションのロスなく、品質の高いものを世の中に公開できるようにしています。


 CIOがPMをすることは一般的ではないと思いますが、単に私が得意なことが2つあったというだけです。CIOやシステムの人間は、ところどころに大きな階段があります。それは主に、システムが新しいアーキテクチャに成長していく段階です。次の階段を上るときには、CIOやPMの立場でそこにどっぷり時間を使うということはあります。

--人材の管理方法は。

 スタッフがどんどん増えています。起業したときは6人で10畳のオフィスでしたが、今は50人になりました。今後さらにスタッフを増やしていきます。それは、開発のスピードを上げるために、プロダクトを並行的に対応できるようにするためです。また、ひとつのプロダクトであっても品質の高いものを出すという目的もあります。

 しかし、スタッフが増えると意思疎通がしづらくなってきます。どこのベンチャーでも同じ苦労をしていると思います。苦労しなくていいように、先回りして対応しておかないといけないと考えています。それがコミュニケーション調整や、開発ツールであったりするのかもしれません。

以前の経験を忘れよう

--短期間で質のいいものを作るために、どのような工夫をしているか。

 今までの経験を、いったん忘れようと思うことです。証券や為替の世界では、上流工程でしっかり設計して、基本設計のアウトプットをもとに詳細設計をする人がいて、実装する人、コーディングする人、テストチームも別にいて、テストケースのレビューをあらかじめするといった、開発から納品までのいわゆる“V字モデル”を長くやっていました。

 それはそれで特徴的ですし、いいところもあります。大規模なプロジェクトでは、そういったスタイルにしていく必要があるでしょう。しかし、スタートアップで数人というチームでは、設計から公開をどのようにしたら一番刺さるかというのもわかりません。その中で品質をしっかり担保してやっと出しても、使われなければ意味がありません。まずは軽く出して簡単に使ってもらって、反応のいい部分に工数をかけていくようなスタイルになります。今までのやり方とは全然違うところを気にしながらやっていくのが大きいかもしれませんね。

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