「Mac」をマルウェアから保護するには、Appleが提供している「XProtect」だけで十分だと考えるユーザーもいる一方で、Macを導入しているほとんどの企業はそのように考えていない。独自のマルウェア対策ソフトウェアを開発したGoogleもそのうちの1社だ。
GoogleのMacintosh Operationsチームによって開発された「Santa」というソフトウェアは、「バイナリコードをブラックリストとホワイトリストで管理する」ものだ。
Googleはこのツールを、他の人々も貢献できるオープンソースプロジェクトとしてGitHub上で公開した。Macintosh Operationsチームは、「OS X」向けのこのセキュリティツールの他にも、同社が世界各地で使用している4万台以上のMacを管理するためのツールを数多くオープンソース化してきている。同チームは2013年に実施したプレゼンテーションにおいて、オープンソースのツールを好んでおり、そういった適切なツールが見つからない場合には独自に開発すると述べていた。Googleによって開発されたツールには、Mac用の自社ソフトウェア配備システム「Simian」や、「FileVault」向けに設計されたキーリカバリシステム「Cauliflower Vest」がある。
Santaはバイナリコードをホワイトリストとブラックリストで管理するOS X用ツールの初期バージョンであり、企業はこれを導入することで複数のMacを監視したり、ロックダウンしたりできるようになる。
同チームによると「実行状況を監視するカーネル拡張と、SQLiteデータベースに登録された内容に基づいて実行可否を決定するユーザーランドのデーモン、実行のブロックをユーザーに通知するGUIエージェントのほか、システムの管理や、データベースとサーバの同期に用いるコマンドラインユーティリティで構成されている」という。
Santaの「MONITOR」(監視)モードでは、ブラックリストとしてデータベースに書き込まれ、記録されているバイナリコード以外は、基本的にすべてのコードの実行が許可される。一方、「LOCKDOWN」(ロックダウン)モードでは、ホワイトリストに登録されているバイナリコードのみ、実行が許可される。
同チームによると、Santaにはまだ複数のバグが残っているため、Macの管理者は当面、このツールの利用をテスト目的に限定しておくべきだという。
貢献者になりたい人には、Googleの貢献者ライセンス同意書への署名が求められることになる。また、SantaはGoogleの公式な製品ではないという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。