インターネットイニシアティブ(IIJ)のグループ会社IIJイノベーションインスティテュート(IIJ-II)とジェイ・キャストは11月26日、都道府県別で感染症の流行情報を配信するサービスを開発、同日から地域情報サイト「Jタウンネット」に掲載を開始した。Jタウンネットの各ページ右側カラムに前週比で増加している感染症トップ3が表示され、そこからIIJ-IIの「感染症データランキング」サイトへリンクしている。

Jタウンネットのトップページ(IIJ提供)

掲載欄 拡大図(IIJ提供)
感染症データランキングは、国立感染症研究所が公開する「感染症発生動向調査週報」のデータを活用し、現在どの感染症が流行しているのかを分かりやすく集計、公開する取り組み。感染症の流行は地域ごとに差があることもあり、都道府県別に報告数や前週との差異を表示することで、各地域の生活者に役立つ情報として提供することを目的としてしいる。
国立感染症研究所が公開するデータを収集し、集計や変換などのデータを加工、整理するまでをIIJ-IIが担当し、ジェイ・キャストはIIJ-IIから配信される整理済みデータをもとに「感染症 流行情報」として、ジェイ・キャストが運営するJタウンネット内でいつでも目にとまるよう配慮して掲示している。詳細なデータは、IIJ-IIの感染症データランキングで確認できる。
感染症データランキングの全国の報告総数ランキングは、前週差、前週比、10万人あたりの報告数などで並べ替えることができる。各感染症の報告数推移グラフは、前年とその前の年を含む3年分を重ねて表示される。

報告推移数グラフ(IIJ提供)
各感染症の都道府県別報告数のランキングでは、前週差、前週比、10万人あたりの報告数などで並べ替えられる。各感染症の全国都道府県別の分布図を色で見ることもできる。都道府県ランキングの表とリンクしており、報告数、前週差、前週比、10万人あたりの報告数など、それぞれの分布図を見られる。分布図では、過去5週分をまとめて見ることも可能。時間が経つにつれ増えている、または移動している様子などを色で表示している。

過去5週分のインフルエンザ分布図(IIJ提供)
今回の試みは、IIJ-IIの企画開発センターが2008年に立ち上げた研究開発プロジェクト「Project Gryfon」の共同研究の一環。Project Gryfonは、特にビッグデータの収集や解析に利用するプラットフォームの開発を推進している。
今回の感染症データランキングは、データ解析技術をデータジャーナリズムに応用する共同実験の第2弾となる。共同実験の第1弾「Wikipedia都道府県カテゴリランキング」も、引き続きJタウンネットに掲載、毎日更新している。両社では今後、「J-CASTニュース」や「東京バーゲンマニア」なども活用し、継続してビッグデータのデータジャーナリズムへの活用実験を行っていく。