IDC Japanは11月26日、国内ベンダーのマルチネットワーク戦略分析結果を発表した。最近の通信事業者と通信インフラベンダーの競争軸に変化が起きていることに着目し、そうした事業者の戦略動向と将来展望に対して提言している。
国内の法人や個人でのITリソースの利用形態は十数年前と比較して劇的に変化し、事業者の提供する通信サービスや通信インフラに求められるニーズは大きく変化してきている。
IDCでは、通信事業者と通信インフラベンダーの競争は「通信アクセスのラインアップ増強と組み合わせの多様化」「通信性能の高度化と利用者体験の最大化」「サービス(アプリケーション)利用に最適化された通信インフラの実現」「グローバルシームレスな通信環境の提供」といった4つの分野で、特に激化しつつあるとみている。
今回のレポートでは、(1)Network Variety & Combination(2)Network Performance & Experience(3)Service Centric & Optimization(4)Global Expansion & Seamless――という4つの領域に分けて、それぞれの領域で通信事業者と通信インフラベンダーの具体的な戦略動向と将来展望をマルチネットワーク戦略分析として実施した。
マルチネットワークサービスの4つの領域での事業者動向(IDC提供)
同社コミュニケーションズ リサーチアナリストの鳥巣悠太氏は、マルチネットワーク時代について、以下のようにコメントしている。
「IoT(Internet of Things)の急成長で多様化する通信アクセスの種類や組み合わせに応じた柔軟なネットワーク設計、QoE(Quality of Experience)情報をAPIとしてOTT(Over The Top)ベンダーと共有することによるレベニューシェアモデルの確立、ICTリソースの管理、可視化などのネットワークでのクラウド連携機能のさらなる強化、国内外でのボーダレスなネットワークプラットフォームの構築などが重要になる」