--HANAが大きな役割を果たしている。
HANAはインメモリ技術を利用した効率のよいプラットフォームで、予測分析エンジンとしても活用できる。どちらが勝つのか、かなりのところまで予想できる。例えば、F1のMcLarenチームもオペレーションにHANAを利用して、過去のパフォーマンスの分析から戦略を立てている。
--センサデータはウェアラブルなどで収集しやすくなったが、多くの公式試合では禁止されているなど課題もある。
今後急速に変わっていくのではないか。センサはパフォーマンス改善を目的としたデータ収集だけでなく、安全という点でも大きい。特に頭の負傷が大きな問題となっているアメフトでは、ヘルメットにセンサがあれば脳震盪のような危険な事態をすぐに把握できる。
--今後、試合に勝つためのスキルは変わってくるのだろうか? 純粋な心身能力よりもiPadへのアクセスが勝因になるのか?
スポーツチームの中でデータサイエンティストを起用する動きは少し前から出てきている。背景には、競争優位につながる、科学的情報を利用して正しいプレイヤーを選びたいなどの考えがあるようだ。米国の野球で5〜6年ほど前から顕著になっており、映画『マネーボール』が好例だろう。
技術を利用してエクササイズの効率を上げるという動きは新しくない。どこをどのぐらいエクササイズすべきか、食事はどうか、などでデータは利用されてきた。
だが技術に対する意見は人により異なるだろう。われわれはあらゆる意見を尊重する。ただ、技術は一時的なものではない。そのうちなくなるのではなく、今後も進化するし、常時接続はスポーツ以外でも日常になっきている。一方で、妨げになるべきでもないと考える。
個人的な意見としては、技術は多くの場合で、さまざまな障害や制限を解き放ってくれるものと思っている。地理的、経済的理由でよいコーチがいないという選手にチャンスを与えるかもしれない。