データを文章にするソフトウェアを開発するNarrative Scienceが、保険会社のUSAAから1000万ドルの出資を受けることを発表した。USAAとは、同社のソフトウェアを導入する契約も締結したという。
USAAは軍人およびその家族向けに保険や金融商品を提供する大手保険会社で、今回の投資ラウンドには同社の子会社、SAPのベンチャー部門Sapphire Ventures、Battery Venturesらが参加しているという。得られた資金は開発、営業、企業開発に利用するという。
Narrative Scienceの代表製品「Quill」は、財務データを文章へと変えるプラットフォームだ。同社は、分析ダッシュボードやビジネスインテリジェンス(BI)には限界があるという理論を掲げている。仮想化ツールもその背後にある物語を必要としており、平易な言葉でデータを表現する必要があると主張する。
USAAを顧客として獲得することは、Narrative Scienceのフォーカスに沿ったものとなる。Narrative Scienceはデータを文章にする機能により、一部の関心を得ている。ジャーナリストは自分の仕事を脅かしかねないソフトウェアについて書くのが大好きだ。Narrative ScienceはForbesのようなメディアで利用されており、BtoB専門のメディアであるHanley Woodでもレポート作成に利用されている。
だが、これらを除くとNarrative Scienceの顧客のほとんどが金融機関だ。Quillは利益率、保有ポートフォリオなどのデータから株主向けレポートを作成してくれる。設定によって、カスタマイズしたり、ハイライト表示したり、重要な部分を最初に持ってくることなども可能だ。Narrative Scienceの技術は幅広いが、現在のところ同社は金融、政府、メディアなどの業界にフォーカスしている。
Narrative Scienceの共同創業者兼チーフサイエンティストのKris Hammond氏は、「多くの人にとって分析とはマシンからデータを取り出すことを意味する。この場合、スプレッドシートやダッシュボードを使うことになる。アイテム上でデータを扱っているに過ぎず、もっと人間にやさしいものになる必要がある」と述べている。同社は他の業界への拡大について、スポーツ業界、製造、小売り、医療を挙げた。スポーツでは若者のバスケットボールや野球の試合スコアから文章を生成するアプリを構築しており、ユーススポーツには「幅広いマイクロオーディエンス」があるとしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。