日本はオンラインでの“つながり”に消極的 --A.T.カーニー調査

NO BUDGET

2014-12-01 18:16

 経営コンサルティング会社のA.T.カーニーは12月1日、インターネットと消費者の「つながり」に関する調査結果を発表した。調査は7月に米国、英国、ドイツ、ブラジル、ロシア、中国、インド、南アフリカ、ナイジェリア、日本の世界10カ国で実施され、各国約1000人、合計約1万人から回答を得た。世界各国の消費者がインターネットとつながる重要な動機として、「誰かとつながるため」「自己表現」「利便性」の4項目を挙げているという。

 各項目の概要は以下の通り。

・誰かとつながるため

 全回答者の平均73%が、インターネットに接続する主な動機は家族や友人とコミュニケーションするためと答えている。その傾向が強い国はインド(回答者の94%)、ナイジェリア(89%)、中国(88%)で、日本は調査国中、最も低い34%という結果になった。

・ネットで検索

 驚くことではないが、全回答者のまさに 95%がインターネットに接続する主な動機は新しいモノやコトを探したり、学ぶためと答えている。

・自己表現

 インターネットを通じて誰かと意見交換したいという傾向は、特に表現の自由が制限されている新興国にて顕著である。 特に中国、ナイジェリア、インドでは回答者の85%以上が、インターネットに接続する主な動機は自己表現のためと答えている。日本は調査国中、最も低い30%。

・利便性

 スポーツや映画などを自宅にいながらにして娯楽を楽しめる利便性を評価する。

日本では「ソーシャルネットワークがインターネットの主目的ではない」

 全回答者の平均46%が、ソーシャルネットワークをインターネットに接続する大きな理由であると答えており、ブラジル(58%)、ナイジェリア(57%)、インド(54%)、ロシア(52%)は、ソーシャルネットワークに費やす時間がオンラインショッピングや検索よりも多く、いわば支持派だ。

 一方米国(39%)、ドイツ(36%)、日本(32%)はソーシャルネットワークがインターネットに接続する主要な目的ではない、と答えている。

 インターネット接続、すなわち消費者がオンラインで費やす時間や内容がどれほど消費に影響しているのか、成熟した市場ではバナー広告やポップアップ広告に反応するのはごく少数に限られ、例えばバナーなどの広告をクリックすると答えた回答者は米国で7%にとどまる。

 一方、ナイジェリアでは93%、インドでは84%、中国では83%の回答者がオンライン広告に対して好意的で、時折バナー広告やポップアップ広告をクリックすると答えている。

 ソーシャルメディアが消費者の購買に与える影響は、国ごと、年齢ごとに大きく異なる。米国や英国、ドイツ、日本では3分の2から4分の3にあたる回答者が、商品やサービス、ブランドに対するソーシャルメディアでの評判が自分の購買行動にほとんど、あるいはまったく影響しないと答えている。

 一方、中国(95%)を筆頭に、インド、南アフリカ、ブラジル、ナイジェリアでは、多くの回答者が買い物の際、ソーシャルメディアでの評価を頼りにしている。

 英文の調査レポート(原題「Connected Consumers Are Not Created Equal: A GlobalPerspective」)全文はこちらにて公開中、日本語版も近日中にA.T.カーニーのサイトで公開予定となっている。

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