ノークリサーチは、12月3日、「2014年 中堅中小企業におけるマーケットプレイス活用の認知/課題に関する調査」を発表した。同調査によると、中堅中小企業におけるマーケットプレイス活用はまだ極めて少数に限られ、黎明期段階であることが分かった。
利用率が低い要因として、マーケットプレイスそのものの認知度の低さを挙げた。改善策として、期待通りに実現できる具体的なメリット訴求や、製品やサービスのカタログになるのを避け、選ぶ負担を軽減する仕組みの導入などがあるとしている。
同調査は、年商500億円未満の国内民間企業1000社の経営層、管理職、社員を調査対象にし、調査対象業種は組立製造業、加工製造業、建設業、流通業、卸売業、小売業、IT関連サービス業、サービス業。10月に実施した。
同調査によると、マーケットプレイスに対する認知度に関する質問に対し、「全く知らない」という回答が全体の6割を超えている。ノークリサーチでは、こうした状況の打開策について、「まず名称を広く広め、その中から顧客を絞り込む」よりも、「メリットまでを含めた訴求によって利用ユーザ企業を少しずつ積み上げる」という地道な取り組みの方が有効だと指摘している。
(ノークリサーチ提供)
また、中堅・中小企業がマーケットプレイスのメリットについては、マーケットプレイスの最も大きな特徴は「自社が考えるIT活用に必要な構成要素を一箇所で選定、導入できる」というもので、導入時の費用負担を軽減できるというメリットがあるとしている。その上で、こうしたメリットは利用中や利用予定のユーザー企業には十分認知されているが、「(マーケットプレイスを)知っているが利用予定はない」という企業には伝わっていない可能性があると指摘している。
(ノークリサーチ提供)
さらに、中堅、中小企業がマーケットプレイスの課題や弊害と感じている事柄については、「自社に合わない商材をすすめられる懸念がある」「製品やサービスが多すぎて選べない」といった回答を取り上げている。
「自社に合わない商材をすすめられる懸念がある」という回答の割合は、利用中のユーザー企業と「(マーケットプレイスを)知っているが利用予定はない」 というユーザー企業との間で大きな差は見られないとし、多くの企業でマーケットプレイスのメリットと自社に合わない商材をすすめられる懸念とはトレードオフの関係だと認識されていると指摘している。
また、「製品やサービスが多すぎて選べない」という回答の割合を見ると、 「(マーケットプレイスを)知っているが利用予定はない」というユーザーに比べ、利用中のユーザー企業の方が10ポイント程度高くなっており、実際に利用してみた上で、商材を選ぶのが大変と実感しているユーザーが多いと分析している。
(ノークリサーチ提供)
この結果に対しノークリサーチでは、マーケットプレイスが本来目指す姿とは真逆の結果だとし、改善策として、製品、サービスの網羅性を高めることだけに注力しすぎるのではなく、企業の規模や業種で区分する、わかりやすいウィザード形式のガイドを設けるなど、ユーザーの負担を軽減する仕組みの導入を検討することが重要だと指摘している。