非営利団体Mozillaは、Appleの「iPhone」や「iPad」に搭載される「iOS」向けの「Firefox」ブラウザを準備している。
Mozillaで「Firefox」担当バイスプレジデントを務めるJohnathan Nightingale氏は米国時間12月2日、ポートランドで開催されたMozlandiaイベントにおいて、その意向を語ったという。同イベントの複数の参加者らのTwitterアカウントで明らかになった。
MozillaリリースマネージャーのLukas Blakk氏は、「われわれはユーザーがいる場所に存在しなければならない。FirefoxをiOSに搭載することにする」という、Nightingale氏の発言を説明したものと思われるツイートを発信した。TechCrunchが初報を掲載している。
それに続き、Mozillaのデータサイエンス担当マネージャーを務めるMatthew Ruttley氏も、「iOS向けFirefox!! ぜひやろう!!」とTwitterで述べた。イベントに参加したMozillaコミュニティーの他のメンバーもそれぞれのアカウントで、Nightingale氏やMozillaのプレジデントを務めるLi Gong氏の発言を引用してこの情報を発信した。
この動きは、Mozillaの戦略が変化していることを示している。同団体は、新たな課題に直面する中でその影響力を維持するための新しい方法を模索している。課題としては、Googleの「Chrome」ブラウザの人気が高まっていることや、ますます多くの人が利用するようになっているスマートフォンとタブレットの市場において存在感を発揮できていないことなどがある。10年前、MozillaのミッションはMicrosoftの「Internet Explorer」の支配体制を切り崩すことだったが、現在の最優先課題はiOSと「Android」のエコシステムにオープン性をもたらすことである。
Mozillaは2012年、「Junior」というiOS向けブラウザを披露したが、その取り組みは実を結ばなかった。2013年には、Appleがサードパーティブラウザに課す制約に異議を示し、iOS向けFirefoxを構築するつもりはないと述べていた。
Mozillaは短い声明で今回の取り組みを認め、実験的なものだとしたが、それ以上の詳細を明かすことは避けた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。