これらの取り組みは日本ユニシスに限らず、日本のシステムインテグレーターにとって典型的なアプローチとも見て取れる。ただ、これからの3カ年は、システムインテグレーターにとって自ら変革しなければ生き残っていけない厳しいサバイバルの時期となる可能性が高い。果たして日本ユニシスは自らの思惑通り、変革から飛躍へと突き進むことができるか、注目しておきたい。
「オラクルがモバイル? との声もあるが、クラウドと連動した重要なソリューションの1つとして位置付けている」 (日本オラクル 清水照久 シニアディレクター)

日本オラクル 清水照久 シニアディレクター
日本オラクルが先ごろ、今年8月に提供開始したモバイルソリューションの最新動向と、新たに投入したユーザーインターフェース(UI)デザイン「Oracle Alta User Interface」(Alta UI)に関する記者説明会を開いた。同社Fusion Middleware事業統括 ビジネス推進本部 製品戦略部 シニアディレクターである清水氏の冒頭の発言は、オラクルとして今後モバイルソリューションにも注力していく姿勢を示したものである。
同社は今年8月に“モバイルファースト”の方針を打ち出し、モバイルアプリケーション開発基盤「Mobile Application Framework(MAF)」、セキュアなモバイル利用環境を実現する「Mobile Security」、モバイル向けAPIを管理する「Mobile Cloud Service」といったモバイルソリューションの提供に注力している。さらに、このほど新たなUIデザインとしてAlta UIを投入した。
これらについて会見で説明があった詳しい内容については関連記事を参照いただくとして、ここではAlta UIにフォーカスを当てたい。
Alta UIはウェブベースやモバイル端末専用のアプリケーションに、先進的でシンプルかつ魅力的なUIを実現するためのデザインガイドラインとテンプレートを提供。オラクルのクラウドアプリケーションおよびサービスの標準デザインとして適用されるという。
同社はAlta UIのコンセプトとして、「モバイルファーストを前提としたデザイン」「シンプルで整理されたレイアウト」「明確な情報階層」「ユーザーエクスペリエンスを向上する直感的なコンポーネント」といった点を挙げている。
清水氏によると、「Alta UIの見た目の特徴としては、スペースに余裕を持たせ、大きなアイコンがバランスよく配置されている。これまでオラクルのUIは何でも詰め込むようなイメージがあったが、それとは逆に非常にゆったりとしたオシャレなデザインになっている」と言う。
モバイルファーストを前提としたデザインであることから、オラクルのモバイルソリューションが広がれば、Alta UIも浸透するだろう。いや、むしろ逆で、Alta UIがオラクルのモバイルソリューション普及の牽引役になるかもしれない。いずれにしてもユーザーに広く受け入れられるか、大いに注目されるところである。