16万台削減へ--Windows Server 2003からの移行、課題は経営層の理解と予算確保 - (page 2)

三浦優子

2014-12-05 17:59

致命傷になると判断

 会見では、実際に中小企業で実際に移行した事例も紹介された。

 三重県の東海物産は農薬や農業資材などの卸業を展開する。従業員138人であり、総務部門がシステムの構築運用を担当し、電話やファクス、サーバなどを2人で担当し、実質的な業務は若手担当者が1人でこなしている。経営層はITには不慣れと、多くの中小企業が抱える悩みを持っている。

永戸文基氏
東海物産 総務部 電算課 永戸文基氏

 Windows Server 2003からWindows Server 2012に移行した経緯を東海物産 総務部電算課 水戸文基氏が次のように説明した。

 「2000以上の企業と取り引きしているため、脆弱性が悪用されて問題が発生すれば、当社にとって致命傷になると判断した。移行後はWindows Server 2012とHyper-Vを活用した結果、移行前は6台だったサーバが3台に集約された。今後、クラウドの利用を検討しており、現状は中間地点でクラウド利用への道も開けたと考える」

 このように移行を考える企業に向け、日本マイクロソフトの高橋氏は、「まずは既存のサーバ環境について台数や用途、設置場所といった棚卸を行い、次に移行先としてクラウドかオンプレミスを選択するのかを考える。最後に予算とスケジュールを確認し、移行に必要な費用と期限を確認するという3つに取り組んで頂きたい。わからないこと、相談があればマイクロソフトやパートナー企業への相談を」と呼びかけた。

 相談窓口としてマイクロソフトでは、Windows Server 2003移行相談窓口として「Cloud Direct(電話番号:0120-39-8185)」を設け、月~金曜日の9~17時30分にユーザーとパートナーからの電話を受け付ける。

片倉一幸氏
大塚商会 営業本部 取締役兼専務執行役員 営業本部長 片倉一幸氏

 移行に関するセミナーやトレーニング、移行ガイド、パートナー向けの最新情報、パートナー紹介などWindows Server 2003からの移行に関する情報を一元的に集めたポータルサイト「Windows Server 2003移行ポータル」もすでに開設している。

 会見には、移行支援パートナーとして大塚商会、ソフトバンクコマース&サービス、ダイワボウ情報システム、NEC、日本ヒューレット・パッカード、富士通、リコージャパンの7社が登場。代表して大塚商会の営業本部 取締役兼専務執行役員 営業本部長の片倉一幸氏が「パートナーとして、自社には人手がない、スキルがないといった顧客をサポートし、無事に移行が進むようサポートしていきたい」と話した。

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