もはやIaaS、PaaSに限定されたクラウド化戦略ではなく、もっと広い視野での戦略を策定することが今後の企業として競争力強化とスピード促進につながると考えています。
“クラウドサービスブローカー”の登場
まず企業の最も必要とされるのは、構造化された次世代ITの導入戦略を作り上げることです。クラウドはかなりの範囲のサービスが提供されるプラットホームに成長していますから、段階的に導入をする必要も出てきます。また、その順番も明確にし業務によってはオンプレミスに残す方が良い場合もあるはずです。
最近、Gartnerなどでも提唱されているクラウドサービスブローカー(Cloud Services Broker:CSB)というビジネスは企業に対して、構造的、戦略的なクラウド導入/移行戦略を策定するコンサル/SIであり、北米では、大手のITソリューションベンダーは既に提供する時代に入っています。
企業にとっての次世代IT化は、単に新しい技術の導入にとどまらず、想像以上に大きな変化を要求されることを認識することが、導入戦略を作り上げる上で重要なステップであり、CSBの業務の1つです。
具体的には、選択すべき技術の選定のみならず、次の様な項目を企業内で策定することです。
- クラウド利用の企業内ポリシーの策定
- クラウド構築/運用の専任体制の立ち上げ
- 企業内の教育
- OSS、サブスクリプションモデルなど、従来と異なる料金体系による新しい投資/収益分析
DevOpsの本当の意味
開発担当者と運用担当者が連携、協力する開発手法「DevOps」というキーワードが広く普及していますが、本質的には企業における開発部門(Developer)と運用管理部門(Operation)の関係が次世代ITの登場によって大きく変化を遂げている、という点を指しています。
従来、運用管理部門にアプリ開発に必要なハードウェアやソフトウェアの購入、サポートを業務を依存していた開発部門が、パブリッククラウドの登場で運用管理部門のサポートが必要なくなってきているという状況です。