提供:Amazon and James Hamilton
AWSのラック、サーバ、ネットワークアダプタ(図D):Hamilton氏は、ネットワークの遅延に加えて、サーバソフトウェアスタックにも許容できない遅延があったと述べている。
- アプリケーション、ゲストOS、ハイパーバイザ、ネットワークアダプタで構成されるソフトウェアスタックにミリ秒単位の遅延。
- ネットワークアダプタを通過するトラフィックにミリ秒単位の遅延。
- ファイバリンク経由でサーバ間を移動するトラフィックにナノ秒単位の遅延。
ソフトウェアスタックの遅延を解消するため、Amazonは現在、Single-Root I/O Virtualization(SR-IOV)を使用する仮想ネットワークカードを各ゲストで利用している。Hamilton氏は、SR-IOVの使用に関して難しかった点は、各仮想ネットワークアダプタの隔離、DDoS攻撃の防止、キャパシティの監視の方法を考え出すことだったと説明した。
図E提供:Amazon and James Hamilton
AWSのカスタムサーバとストレージの設計(図E):先述のように、市販のネットワーキング機器はAmazonにとって大きな足かせとなっていた。Hamilton氏によると、サーバについても同じように考えられていたため、同社は独自のサーバ、プロセッサ、ラックの開発を決定したという。
- サーバはAmazonが設計し、ODMが製造。
- プロセッサはAmazonがIntelと共同開発したカスタム設計。
- Amazonのラックは864台のハードドライブを収納可能で、重量は2000ポンド(約907kg)以上。
提供:Amazon and James Hamilton
AWSの電力インフラストラクチャ(図F):独自のネットワーキング機器、サーバ、プロセッサ、ラックを開発することは、それほど突拍子もないことには思えない。では、変電所を建設することはどうだろうか。変電所の計画と建設は時間のかかるプロセスに思える。かかりすぎると言ってもいい。Amazonは絶えずデータセンターを建設しているからだ。そこで、Amazonの経営陣は、自前の変電所を建設してボトルネックを取り除くことを、自社の最優先事項とした。
電力に関しては、AmazonはGoogleやMicrosoftと同様、電力購入契約とそれに付随するグリーン電力証書を好んでいる。
Hamilton氏の最後のコメント
Hamilton氏はプレゼンテーションの終盤で、Amazonで起きている「革新のペース」について語った。AWSは急速に成長している。それに伴い、競争の激しい市場で機動力を維持することについて、管理面での懸念が発生している。Hamilton氏はうれしそうな様子で、AWSはこれまでより多くのサービスをより速いペースで提供しており、信頼性も高まっていると報告した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。