Turner氏はカンファレンスの聴衆に向かって、かつてWindowsはMicrosoftにとって、まさに確実な収入源だったと語った。それは同社の他の多くの事業の成長を支える製品だった。そうした古いビジネスモデルでは「取り付ける」ことがなにより重要だったと、Turner氏は説明した。
Turner氏は、古いWindowsのビジネスモデルについて、「当社のソフトウェアをできるだけ多くのソケットに取り付けることであり、ライセンスを中心としたモデルだった。そして古い時代のビジネスモデルの素晴らしい点は、顧客が当社の製品を購入すると、当社にはその100%が直接支払われることだ。顧客がそれを使うかどうかに関係なく、当社は収入を得られた」と語っている
近頃では、スクリーンサイズが9インチ以下のデバイスにおいて、MicrosoftはAndroidと競争するためにWindowsを「ゼロドル」で提供し始めて以来、かつてのようにWindowsのOEMから収入を得ることはなくなっている。それより大型のデバイスでは、Microsoftは、より安価な「Windows 8.1 with Bing SKU」を利用したOEMから多少の収入を得ている。同社は今でも、ビジネスユーザーがボリュームライセンスプログラムやソフトウェアアシュアランスを通じて購入するWindows SKUでかなりの金額を稼いでおり、おそらくWindows 10でもそれを続けるだろう。
しかし古いビジネスモデルが崩壊したのは、Microsoftがユーザーとの継続的な関係を手に入れたためだ。いったんユーザーがWindows搭載PCやパッケージ版のWindowsを購入したら、Microsoftはそのユーザーに対してできることがあまりなかった(ユーザーがそうしたWindowsデバイス上で動く別のMicrosoft製品を購入しない限り)。
Windows 10から、Microsoftは自社サービスに引き込む仕組みを備えた形でWindowsを構築しようとしている。Microsoftは、Androidや「iOS」、「Mac OS」とは違った形でWindowsの枠組みを所有しているのだから、アプリストアを「スタートメニュー」に組み込んで、OSがユーザーに特定のアプリを勧められるようにしたり、OneDriveを使って、競合プラットフォームよりも優れた写真体験をWindowsユーザーに提供したりすることができる。
それは間違いなく、Microsoftにとって今まで試したことのない、前例のない道だ。さらにこの道を選んだ場合、同社がサポートする他のモバイルOSよりもWindowsを選ぶだけの理由が今でもあることを示さなければならない。だが、Microsoftはその道へと進んでいるように思える。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。