ヤフーなどIT企業が多く参加する一般社団法人データサイエンティスト協会とスキル定義委員会は12月10日、団体が定めるデータサイエンティストの「ミッション、スキルセット、定義、スキルレベル」を公開した。
協会ではデータサイエンティストのミッションを「人間を数字入力や情報処理の作業から開放すし、データの持つ力を解き放つこと」と定義。前述のミッションを踏まえ、データサイエンティストに求められるスキルセットを以下の3つにした。
- ビジネス力:課題背景を理解した上で、ビジネス課題を整理し、解決する力
- データサイエンス力:情報処理、人工知能、統計学などの情報科学系の知恵を理解し、使う力
- データエンジニアリング力:データサイエンスを意味のある形に使えるようにし、実装、運用できるようにする力
データサイエンティストに求められるスキルセット(データサイエンティスト協会提供)
上記の3つのスキルはどの1つが欠けずに保持する必要があり、この3つのスキルは課題解決のフェーズによって、中心となるスキルが変化するという。
図2:課題解決の各フェーズで要求されるスキルセットのイメージ
また、データサイエンティストの定義を「データサイエンス力、データエンジニアリング力をベースにデータから価値を創出し、ビジネス課題に答えを出すプロフェッショナル」としている。
ここでいう「ビジネス」とは、社会に役に立つ意味のある活動全般を指し、「プロフェッショナル」とは、体系的にトレーニングされた専門性を持つスキルを持ち、それをベースに顧客にコミットした価値を提供し、その結果に対して認識された価値の対価として報酬を得る人物とした。
さらにデータサイエンティストのスキルレベルを「業界を代表するレベル」「棟梁」「独り立ち」「見習い」に分類、今後はより具体的なスキルセットやキャリア、データサイエンティストたちのチームの組み方などを検討、提言する予定だ。