問題解決時間を6分の1に短縮
PTCは「製造業は今後、モノ(製品)を売って利益を得るビジネスモデルから、モノがもたらすサービスを提供するビジネスモデルへの戦略的転換が求められる」と説いている。こうした「製品のサービス化」にはIoTの活用が不可欠だ。
同社は2013年、IoT向けアプリケーション開発運用プラットフォームを提供するThingWorxを買収した。PTCでは「SLMやPLMなどのポートフォリオにThingWorxが組み込まれたことで、プランからデザイン製造、運用、サポートに至るまでのクローズドループ ライフサイクル マネジメントの連携がより強固になった」としている。

クローズドループ ライフサイクル マネジメントの概念図
Gremley氏は、クローズドループ ライフサイクル マネジメントの良例として米Dieboldを挙げた。同社はATM機器の販売、製造、設置、保守を手掛ける。同社ではATM端末にセンサを取り付けて稼働状況をモニタリングすることで点検と修理の訪問回数の削減に成功。問題解決にかかる時間は従来の3時間から30分に短縮したという。
基調講演ではゲストスピーカーとして、PTCユーザー企業も登壇した。その中の1社、日立建機で理事兼ライフサイクルサポート事業本部 カスタマーサポート事業部長を務める村上勝彦氏は「製品のサービス化」について、以下のように語った。
「製品の販売は市場状況に左右される。しかし、メンテナンスやアフターサービスまでも重要なビジネスとして取り組むめば、継続的に安定した収益が見込める。われわれ日立グループは情報通信技術を活用し、例えばモニタリングなど、付加価値のあるサービスを提供できる」

IoT活用の発展度。IoTを既存の社内システムやPLM/SLMと連携させることで、クローズドループ ライフサイクル マネジメントを完結させる