データセンターの現状可視化が第一歩
データセンターのライフサイクルマネジメントを実践するうえで留意すべきポイントを「計画」から順に整理する。
・Plan(計画)
サーバやストレージだけでなく、空調や廃熱装置、電力容量や耐荷重などを含め、データセンターに求められる最良の要件を明確にする。
・Design(設計)
将来を見据え、予算や運用コスト、運用効率などを考慮しながら、計画で定めた要件を100%満たすデータセンターを設計する。
・Build(建築)
計画および設計通りに構築作業が進むようにデータセンターの構築プロジェクトを、ITベンダーや設備機器ベンダー、施工業者と協働してマネジメントする。
・Operate(運用)
データセンター内のIT機器や設備の稼働状況や電力消費量、温度やエアフローなどを監視すると共に、運用効率を高めながら安定運用を持続する。
・Assess(解析)
IT機器や設備の稼働状況などを示すデータを解析して現状のデータセンターの性能を把握し、安定運用を持続するうえでの課題の有無などを確認する。
いずれのポイントも当たり前のように思えるが、現時点ではすべて実践できているケースは珍しい。「できている」と感じているが、実際には「できていない」。その最たる例が「Operate(運用)」だ。
IT機器と設備の稼働状況を別々の仕組みで監視している、あるいは別々の組織が管轄している。そのうえ情報が一元化されておらず、データセンター全体の稼働状況を正確に可視化できていない。そうした企業は少なくない。
この点を踏まえ次回は、データセンターをOperation(運用)中の多くの企業にとって、データセンターライフサイクルマネジメントの第一歩となる「可視化」に視点を当てながら実践方法をみていく。具体的には、データセンターのライフサイクルマネジメントに有用な管理の仕組み「DCIM(Data Center Infrastructure Management)」を紹介する。