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富士通マーケティング、マイナンバー対応アドオン--人事給与システムに追加

大河原克行

2014-12-18 06:30

 富士通マーケティングは12月17日、2016年1月から運用される「マイナンバー」制度に向けて、個別開発の人事給与システムに対応する「FUJITSU Enterprise Application アドオンマイナンバーシステム」を開発、同時に導入支援サービスを提供すると発表した。アドオンマイナンバーシステムは2015年7月から提供する。

 同社は2014年12月にマイナンバー制度に対応した専任組織を5人体制で新設。開発から販売、サポートまでをワンストップで提供する体制を構築した。同部門は、開発部門と連携した組織として展開。今後、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)やSaaS、セキュリティなどに関するマイナンバー制度関連製品を投入。これらマイナンバー関連製品で今後3年間で50億円の事業規模を目指すという。

最小限のシステム改修コストで対応

 マイナンバー制度は政府が進める「社会保障・税番号制度」。住民票を持つ全ての個人に1つの番号を付与して、社会保障や税、災害対策の分野で情報を管理して、複数の機関に存在する個人の情報が同一人物の情報であることを確認するために活用される。

 2015年10月から住民票がある市区町村から12桁のマイナンバーが通知される。番号は漏えいして不正に使われる恐れがある場合を除いて、一生変更されることがない。2016年1月からは社会保障や税などの行政手続きにマイナンバーが必要になる。

 アドオンマイナンバーシステムは、企業で運用している既存の人事給与システムと連携して、マイナンバーの申請、収集、保管のほか申告帳票を出力するアドオン型システム。既存システムとの連携部分のインターフェースのみを提供することで、短期間での制度対応と低価格化を図ったという。

浅香直也氏
富士通マーケティング 執行役員 浅香直也氏

 「手組みでのマイナンバー対応では約9カ月間かかると考えているが、アドオンマイナンバーシステムを利用することで、約3カ月で対応が完了できると想定している。期間と費用はともに3分の1程度で対応できる」(富士通マーケティング 執行役員 浅香直也氏)

 マイナンバーの完全独立方式に準拠。マイナンバー情報を格納するファイルと既存システムを分離することで、セキュリティを担保できることも特徴としている。

 マイナンバーの申請業務では、個人専用の利用者IDとパスワードを付与して本人を確認する。オプションでICカード認証や静脈認証なども提供するという。マイナンバーは暗号化して情報漏洩を防げるとしている。

古瀬健二氏
富士通マーケティング GLOVIA事業本部プロジェクト統括部長 古瀬健二氏

 富士通マーケティング GLOVIA事業本部プロジェクト統括部長の古瀬健二氏は「1000人規模の従業員数の企業でも、約10%は手組みで人事給与システムを構築しているとみている。だが、制度開始までの時間が短く、システム改修にかけられる時間が限られている。特定個人情報のために、これまでよりもセキュリティ仕様を強固にする必要があり、全従業員とその家族のマイナンバーの収集と確認という煩雑な業務に対応する必要があるといった課題がある」と指摘した。

 「アドオンマイナンバーシステムでは、現行の人事給与システムをそのまま利用でき、最小限のシステム改修コストで対応できる。人事情報とは物理的に分離し、マイナンバーの利用者を特定して、漏洩リスクにも備えられる。住所録を出すのにマイナンバーまで表示されてしまっては、目的以外の利用となり法律違反となる。こうした課題にも未然に対応できるようにするなど、各種業務シーンにあわせたセキュリティ仕様を備えている。簡易的なマイナンバー申請の仕組みを構築でき、申請内容のチェックを効率的に行える」(古瀬氏)

 アドオンマイナンバーサービスは、富士通と富士通マーケティングによる直販のほか、パートナーを通じた販売も予定しており、「全体の約2割がパートナーを通じた販売になる」と見込んでいる。アドオンマイナンバーシステムの販売予定価格は、従業員数1000人規模の場合で500万円からとしている。

人事給与システムユーザー以外にも

 富士通マーケティングでは、マイナンバーによる業務やシステムの影響範囲を事前に調査するほか、社員への事前教育を行う「アドオンマイナンバースターターサービス」を2015年2月末から提供する。

 分析ツールを活用して、現行システムへの影響調査、導入方法、スケジュール案、検討方法などを提供する「要件分析支援サービス」、「アドオンマイナンバーシステム連携支援サービス」、マイナンバーに対する基礎知識を深めるための集合教育やコンテンツを提供する「アドオンマイナンバーシステム導入教育」で構成される。

 「アドオンマイナンバースターターサービスは、アドオンマイナンバーシステムとセットで提供するものであり、単体でのサービスとしては提供しない」という。

 同社では「FUJITSU Enterprise Application GLOVIA Smart 人事給与」「FUJITSU Enterprise Application GLOVIA Smart きらら 人事給与」を利用しているユーザー企業に対しては、2015年7月から順次、マイナンバー制度に対応していく。アドオンマイナンバーシステムのコンセプトと同様に、既存の人事給与システムとは分離した形でマイナンバーを管理できるという。

 「業務目的外の用途に対して制約がかかりやすく、マイナンバーが一元管理され、散財リスク防止を実現。アクセスを少人数化でき、漏洩リスク防止も実現できる。富士通の人事関連システムも同様の仕組みで、マイナンバー情報を管理することになる」という。

 浅香氏は「マイナンバービジネスの市場範囲は、人事給与システムユーザー以外にも広がるものであり、膨大な人事情報を扱う人材派遣業、受託している企業情報を扱う給与計算センター、管理する顧客の情報を扱う社会保険労務士、供与計算業務を伴うパッケージベンダーも対象範囲になる。人事総務部門に食い込むチャンスにもなる。特にセキュリティ分野での製品群を強化していきたい」とした。

  • マイナンバー対応での課題

  • アドオンマイナンバーシステムのイメージ

  • アドオンマイナンバーシステムでのセキュリティ確保

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