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原油下落が運輸産業に与える影響

ZDNet Japan Staff

2014-12-18 11:30

 原油急落が、世界の株式市場に大きな影響を与えている。今日は、原油下落が運輸産業に与える影響について、楽天証券経済研究所のチーフストラテジスト、窪田真之氏が解説する。

原油下落メリットは幅広い産業に及ぶ

 株式市場が原油安の恩恵を受ける株として認識するのは、原油安によって直接受ける利益が大きい企業だ。運輸産業は、原油が下がることで燃料コストが下がるので、直接恩恵を受ける。

 間接的なメリットまで含めると、原油安の恩恵は幅広い産業におよぶ。例えば、消費者は石油関連製品の価格が下がることで、恩恵を受ける。したがって、消費者に販売を行う小売業も、間接的にメリットを受けるといえる。

 ただし、原油下落メリットのほとんどは消費者に取られ、小売業が受けるメリットは限定的だ。したがって、株式市場で、原油安メリット株として小売株が買われることはない。

空運業界への影響

 空運株は、11月までは円安による航空燃料費の上昇が重荷と考えられ、株価は低迷していた。12月になって原油安メリット株として急きょ動意づいた。航空燃料の価格低下を材料に欧米で空運株が上昇し、その流れを受けて日本航空(9201)、ANA HLDG(9202)、スターフライヤー(9206)にも買いが向かった。

空運株の動き、日経平均との比較:2014年10月31日-12月17日


(注)10月31日を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成

 ただし、日本航空とANAは上昇の勢いが続かず、上値は重くなっている。航空業界が抱える構造問題が意識されているためと考えられる。航空業界は、LCC(格安航空会社)参入による料金低下が進んでいるため、業績低迷が長期化している。

 欧米でも航空業界は、LCC参入で業績は低迷している。米国では、過去に多くの航空会社が経営破たんに至った。

 日本では、日本航空が一度経営破たんしてから再生した。新規参入組でもAIR DOは前身の航空会社が2002年に経営破たんしてから、ANAの支援を受けて再生した。直近では、スカイマーク(9204)の経営建て直しが必要となり、日本航空またはANAが提携によって支援する方針となっている。

 今の業界環境では、原油安メリットだけに注目して空運株を買いあがっていくのは難しいと考えられる。また、競争的環境のもとでは、燃料安の効果は、いずれ航空運賃低下によって相殺される可能性もある。

 空運株は、短期的な投資対象として面白い局面にあるが、長期投資対象とするには、不透明要因が多過ぎるだろう。

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