GPLの衰退、寛容なオープンソースライセンスの興隆--自作ソースコードを守るには

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2014-12-19 12:33

 筆者は、オープンソースライセンスの各種の側面について学ぶのが楽しくて仕方ないというオープンソースプログラマーに出会ったことはほとんどない。C++言語の深淵な奥義をどれだけ極めた人物であってもだ。しかし、オープンソースライセンスの選択は避けて通れない道である。

 Open Source Initiative(OSI)は昔からオープンソースライセンスに関する重要な参考情報を提供してきているものの、いまだにプログラマーらは情報に精通することなく、困惑状態にある。最近になって、Choose a Licenseや、GitHub上のオープンソースライセンスに関するFAQといったOSI関連のサイトが公開され、理解しやすくはなっているが、ライセンスのことを一切気にかけないプログラマーもいる。

 状況は少ししか進展していない。Black Duck Softwareが2013年7月に発表した調査結果では、GitHub上のプロジェクトのうち、77%がライセンスを明記していなかった。同年初め、Software Freedom Law Centerにおける法務関係の上級顧問であるAaron Williamson氏は、GitHub上のプログラムのうち85.1%がライセンスを明記していないという調査結果を明らかにしていた。

 2014年現在も、世界で最も普及していると言っても過言でないコードホスティングシステムであるGitHubで、いまだにライセンスを明記していないプログラマーが数多くいる。

 ライセンスを明記していない場合、他の人々によってコードを好きにされてしまう可能性がある。例えば、クリエイティブ・コモンズにおける寛容なライセンスの下で「自ら撮影した写真」をYahooのFlickrサイトにアップロードした結果、それらの写真をYahooによって販売され、その利益を独り占めにされてしまったかわいそうな人々もいる。

 大手リサーチ会社Red Monkの共同創業者であるStephen O'Grady氏が述べているように、ソフトウェアは今では配備されるものではなく、サービスとして利用されるものへと変わってきているため、GPLv3のような制限の厳しいライセンスで自らのコードを保護する必要はなくなっているのかもしれない。同氏の言葉を借りると、「コードが競争上の優位性を生み出さないのであれば、守る価値などないはずだ」というわけだ。しかしO'Grady氏は、本質的な価値がほとんどないコードであっても「寛容なライセンス(MITライセンスなど)が理想的な代替となる」と考えている。

 このため、Black Duck Softwareのデータを分析したO'Grady氏によると、「GPLがライセンスとして圧倒的な地位を占めている」ものの、これら2つのライセンス、すなわちGPLv2とGPLv3は「他のライセンスのほとんどを合計したよりも多いということはなくなっている」という。

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